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Cinq-cent-dix-huit ページ37

幸平の皿
季節外れの必殺お節


「お節!?、まさかの」

「なんと充実したおかずの種類!」



『...腹減ってきた』

「食べてないの?、ほら」

『ありがと』



香りに釣られたのか
空腹感に対して、司がアイスを渡してくれる



『けど、お節か...』

「まぁね」



汐見ゼミの提供企業様とか
色々見聞きした知識を思い出した

 

「ふん、付け焼き刃ね」

 

『...随分なメニューを持ってきたな』



おせちを売る店のスケジュール
11月、早いと10月から仕込みの段取りを決めて
食材の取得に走り回る

12月になって、お店の営業と並行して
届き始めた食材の調理を進めていき
ようやく、1月になって出来上がる

つまりは
とてつもなく長い時間を必要とするって事で

板前さんに聞いた話だと
「山場、マジ死にそう...」なんて言う人もいるくらい
 

数時間で出来上がるなんて
普通に考えたら...無理だ


このメニューで、幸平自身は
どんな色を出すというんだろうか


何やらごちゃごちゃとやっていたみたいだけれど


「食べてみないとわかんないでしょ?
おあがりよ」

「ふん」



箸を動かして、口をつけたランタービさん
その結果は



「ほら見なさい!
さっきのー14ドルの皿と同レベル
高度な掛け算になってないのよ!」



あらま



『やっちゃった?』

「ふふ...まだだろ」



第一印象は、あまり良くない
しかし




「マイナスを足そうがマイナスのまま」


-パクッ


「アンタ破産したいわけ?」


-パクッ





『はは、そうだね』

大丈夫そうだ



 

「〜ッ!!」


-パクッ、パクッ、パクッ!!!



最終的に、お重ごと掴んで
凄い勢いで食べ始めたし

 

「どうした事じゃ!
言葉とは裏腹に一心不乱にがっついておるぞ」

「それぞれのおかずにどんな秘密が!」

「やー、別に大した事はしてないっすよー?」




そう言い、ドヤ顔で説明を始めた幸平いわく



『成る程
伊達巻きって卵とはんぺんで行けるんだ...』

「納得しちゃうんだ」

『いや、知らなくてさ』



今度やってみよう

...すると



「だが
それだけであの審査員が満足するとは思えんが...」



たしかに
今のままじゃ、素材を足し合わせた
足し算のおせち



しかし



「恐ろしい.....
このおせちはコース料理なんだわ!
どこから食べ始めても、どの順番で食べ進めても
次のおかずが欲しくなるように設計されている

言うならば、規定ルートなきコース!!」




「あの時のコースを、
今度は幸平一人で作り上げたって事か」

『よくやるねぇ....』



料理に関しては、マジで体力オバケだよ

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blu (蒼)(プロフ) - 雑食の腐女子さん» 「あら、えりなばっかりじゃなくて私の出番もちゃんと見てってね」 (2021年11月1日 10時) (レス) id: 55c7ca7037 (このIDを非表示/違反報告)
雑食の腐女子 - とても面白かったです続き楽しみにしています (2021年10月28日 9時) (レス) @page3 id: 1927aaa4c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年10月27日 6時

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