Quatre-cent-douze ページ27
「へへ、こんにゃろーめ
“御粗末”に続いてまーたパクりやがったなぁ？」
えりなちゃんの皿の出来に満足なのか
いつものゆるっとした雰囲気で食いかかる幸平君
「ふん、
ケンカを売ったのはそっちだもの
…文句は言わせないわよ」
「何だと―――!!」
『あのえりなちゃんが、』
「？」
どうかなさいまして？、とリオが不思議そうに聞いてくるけど
知らない人は無理もないかな
本当に、変わったんだ…
一色も気づいて
「薙切君、本当に変わったね
…薊総帥にとっては面白くないだろうなぁ」
『以前の、少し高めな感じのえりなちゃんじゃない』
もっと、年相応というか
満面の笑みのえりなちゃん
彼女からは、
別に幸平君の前菜による苦労なんて知らないといわんばかりに
楽しい、
そんな様子が目に見えてわかる
その気持ちだけで
今まで誰にも敵わないと思っていた
竜胆と司をあそこまでうならせる皿を出してきた
『本当に、届いた…』
無策だと思っていたのに
規格外の前菜と、
しっかりとそれを踏まえたうえで
期待感を持たせるメイン
信じられない、
けれど、目の前にあるのは
「敵のコンビをうならせたぞ!!」
「これなら薊総帥にも!」
先を歩く一席と二席に対して
後ろから抜かんとする二人の姿
『料理をするのが楽しい、か』
今まで僕はそんな風に考えたことがあっただろうか
「Aさんは何故料理を始められましたの？」
『…なんだったっけ』
「忘れてますのね」
『えっと…ぁ』
思い出した
まだアキラがいない
潤さんと二人だったころ
『研究で徹夜続きの潤さんに…
プリン、作ったんだ』
「あら可愛いらしい」
『確か、母親が女性はデザート好きだって言われてたから』
料理本と格闘しつつ
喜んでくれるかな、って
結構頑張って
低学年にも満たない年で
火を勝手に扱ったのは怒られたけど
ありがとうって笑顔で笑いかけてくれたのも
うれしかった
『確かに、あの時は楽しかったなぁ…』
色々あって忘れてたわ
「まぁ、こちらに戻られてから
少し鱗片は見えていましてよ？」
『…そう？』
「えぇ」
料理が楽しい、から
のめりこんでいって
だからこそ色んな人に出会えて
それしかない、と…
方向を間違えた
『前選抜の時にアキラに義務にするな、
って言っちゃったけど』
僕も案外人の事言えなかったんだ
『料理は…楽しいね』
忘れてたよ
審査は
薊総帥が不服そうにえりなちゃんの
皿に手を伸ばしているとこで
「まだですわ」
彼女はあの小瓶の蓋に、手を掛けた
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blu (蒼)(プロフ) - ぷるさん» 「どーも!!、漸くオレの出番なんで、ちゃーんと食ってってくださいよ!」 (2021年4月28日 8時) (
レス) id: cb665f2842 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編おめでとうございます！これからﾜｸﾜｸして待ってます！ (2021年4月26日 7時) (レス) id: 39613b56f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2021年4月26日 2時
