すなお (桃赤) (ページ35)

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(望side)

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両手いっぱいに、屋台で買ったものを抱えて神社の階段を登る

赤「綺麗に見れるとこあんねん。」

いつのまにか離れた手に少しだけ寂しく感じてた頃先輩に腕を引かれてやってきたこの場所

屋台のある通りから少し外れたからか、周りには誰も居らへん

まるでこの世界で先輩と2人っきりになってしまったようなそんな感じすらする

バクバクと痛いぐらいに動いてる心臓もジメジメした暑さも、気持ち悪い汗の感覚すらも先輩の横顔を独り占めできているという事実だけで悪いものではなくなってまう

桃『先輩。』

赤「ん？」

桃『お誕生日おめでとうございます』

赤「ふふ、今なん？」

嬉しそうに笑う先輩をみて思わず抱きしめてもうた

赤「っこたき！？」

桃『…すみません、少しだけ…』

暴れる先輩にそういえばぎゅっと抱きしめ返された

赤「…こたきも、おめでとう。
その、…誕生日。」

桃『え？』

赤「その！濱ちゃんから聞いて…」

桃『あー。ありがとうございます』

赤「うん。」

俺の肩に顔を埋めとる先輩の顔は見れへんけど綺麗な黒髪から覗く耳がきもち紅い気がして心があったまる

桃『…好きです。』

そうつぶやいた声はいつのまにかにはじまっていた花火の音にかき消された