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(望side)

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夏休みが始まる前日の朝


なんだか憂鬱なのはきっと夏休みの前やからというわけでなくて


結局、重岡先輩に誘われることも誘うこともないまま今日を迎えた


LINEやってなんやって誘う方法なんていくらでもあるはずなのに今回ばかり強気でいけないのはまた先輩がそっけなくなったような気がするから


うまく言えへんけどなんていうか


前までは朝2人でおってもそれなりに返してくれとったし、お昼やって一緒に食べとったけど最近は「うん」とか「そうなんや」って返されて大体そこで話が終わる


2人でいるのがなんだか少し気まずくてお昼神ちゃんや流星と食べることも増えて


桃『何やってんねん俺。』


顔をペチンと叩いて家を出る


今日こそは絶対重岡先輩の目をみて話す!


というか遊びに誘う!


そう意気込んで自転車にまたがる


いつもの曲がり角を曲がればそこで待っとる先輩の姿


桃『遅くなってすみません!』


赤「…大丈…」


俺の声を聞いて携帯をいじっていた先輩の顔が上がる


桃『…先輩?』


固まってもうた先輩の肩を揺すれば顔を真っ赤にする


赤「だっ、大丈夫!早よ行こうや」


くるりと向きをかえて早足で歩き始める先輩


その後ろ姿に慌ててついていく


するとぴたりと足を止めた先輩


赤「…と思う」


桃『え?』

ボソリとつぶやいた先輩の声が聞こえなくて聞き返せば振り向いて俺の袖を掴みながら


赤「…髪、かっこええと思う」


真っ赤な顔をしながらそう伝えてくれた先輩


切ったことも気付かれへんぐらいの長さしか切ってへんのに気がついてくれたことだけで嬉しいのにそれが好きな人にで、しかもかっこええだなんて言われて気分は最高潮


そんな気持ちを抑えるためにゆっくり深呼吸をする


桃『先輩っ!』

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作者名:ふぉん | 作成日時:2021年5月1日 21時

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