検索窓
今日:30 hit、昨日:24 hit、合計:112,645 hit

94阿部side ページ13





ドラマとは違い、明るい雰囲気の部屋。その端に置かれた机に対面で座ったお医者さんは重々しく口を開いた。



医「まず…命の心配は要りません。」


阿「そうですか…」



なんだか含みのある言い方に嫌な胸騒ぎがする。



医「打撲は多いものの適切に治療をすれば殆ど痕も残らないでしょう。ですが…」


阿「ですが?」



いやだ、聞きたくない。

頭の奥で警告音が鳴り響く。



医「大変申し上げにくいのですが、柊さんの左目は全く見えていない状態です」


阿「え?」



ガツン、と頭を殴られたような衝撃だった。目が…全く見えていない?



阿「目が…。それって今後回復するって事は…?」


医「限りなくゼロに等しいです」


阿「そんな…。嘘ですよね?それじゃあこれから一生片目しか使えないって事じゃないですか。スポーツとか出来なくなるかも知れませんよね?」


医「日常生活は片目でも送ることはできます。ただ阿部さんの仰る通り、距離感を捉える事が難しくなり球技のような物は難しいかと。」


阿「なんで…なんで柊が…」


医「ご家族の方も辛いかとは思いますが、一番大変なのは本人です。どうか、支えてあげて下さい。こちらも心療内科を手配させて頂きましたので、出来る限りのサポートを致します」


阿「…は、い」



まだ、13なんだぞ、柊は。

あいつらの身勝手なストレス発散なんかの為に、犠牲になるなんて。



お医者さんからの言葉に返事をしたは良いものの、あまりのやるせなさと憤りに俺は暫く動く事が出来なかった。

95阿部side→←93阿部side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (136 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
828人がお気に入り
設定タグ:SnowMan
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年9月21日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。