82岩本side ページ1
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阿「どうしたの?」
ラウに阿部の事を見てきたと言われて急いで帰った俺に開口一番阿部が放った言葉はそれだった。
岩「それはこっちの台詞。ラウが阿部の事心配してたんだけど。」
阿「あー。もしかしてもう終わった?」
岩「終わった」
阿「じゃあラウの報告に返事しなかったのかも」
報告に返事しない?阿部がそんなことあり得るのか?
岩「なんで?なんかあったの?」
阿「ぼーっとしてた。ラウが帰って来たら謝らないと」
阿部は誤魔化すように痛々しく笑った。
本当に何があったんだよ、阿部らしくない。
岩「ふっかは?」
阿「ごまかせたよ」
岩「なんか言われた?」
阿「なんでゆり組と食べに行ったの、って」
岩「それ以外。あのなあ、俺はふっかの事なんも知らないよ。
けどそれでも相棒だし、何か抱えてるってことは分かるんだよ。一番長くいるしな」
昔からそうだった。きっと阿部は詳しく知ってるんだろうけど、俺だって伊達に付き合ってきた訳じゃない。
阿「そう、だよね」
岩「うん」
阿「…もし」
考えるように間をおいて阿部は静かにいった。
阿「本当のふっかを知ったらどうする?」
岩「本当のふっか…?」
阿「俺は言いたく無いんだよ。言ったら俺らは壊れる。知らないからこそ今までやってこれたんだ。表面上は仲のいい家族のような関係で。」
岩「おかしいだろ…」
表面上だけでなんになる?
阿部はどうして表面上だなんて思ってるのに、このメンバーで居たいんだよ。
俺はこのメンバーを本当の家族みたいに思ってる。
だからその表面上っていうのはおかしい。
阿「おかしいのなんて分かってる。」
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作者名:霜 | 作成日時:2020年9月21日 18時