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「…別に、もう終わったことだし、」
「そりゃそうかも知んないけど」
高地くんが悲しそうな苦しそうな顔をする。
なんで高地くんがそんな悲しそうな顔をするのかわからない。
悪いのは樹なのに。
「相手のあの女がさ、最悪だったよな」
「いやほんと、樹完全にハメられてんじゃん、あんなん」
高地くんとジェシーがどんどんと2人で話を進めて行くけれど、その話についていけない。
「ちょっと待って。あの、全然話が見えない」
2人の話にストップをかけると、2つの視線が一斉にこちらに集まる。
「樹が浮気して、相手の女の子に子ども出来て、それで私たち別れたんだよ?」
そうでしょ?って向けられた視線に返す。
もうそこで終わったんだ。
樹は責任とって相手の女の子のところへ行く。私は樹と別れて新しい道を進む。そういう話でしょ。
「は、?お前、もしかして知らないの?」
高地くんが飲みかけたビールをテーブルに置いて、驚いた顔をこちらに向ける。
ジェシーも嘘だろ?みたいな顔してる。
いや、尚更意味が分かんないんだけど。
「樹の相手の女、妊娠なんてしてなかったんだよ」
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作者名:もえぎ | 作成日時:2021年9月15日 22時