検索窓
今日:11 hit、昨日:61 hit、合計:259,184 hit

29:【不在着信】 ページ29

そんな2人の視線が絡み合う。


微妙に空いた2人の空間がもどかしい。
それを埋めるように、少しだけ互いに体を近づけて。



松村さんの綺麗な顔が、ゆっくりと近づく。
吐息が鼻に触れそうな距離。


もう少しでその唇に触れそう。

互いの持つ熱があっという間にすぐそこにまでやってくる。





あ、このまま、キスするんだ、私。

 
キスするまであと、もう少し。









…そう思った瞬間だった。



カバンの中でスマホが震える音が聞こてくる。

すぐに鳴り止むだろうと思っていたのに、それは長く鳴り響き、それが電話であることを示している。






「…出なくていいんですか?」


その音は当たり前だけど松村さんの耳にも届いていた。

近づいた距離は、またさっきまでの微妙な距離に戻っていく。



「…大丈夫です」



そう言ったのに、相変わらずスマホはヴー、ヴーヴーって鳴り続ける。

しばらくして鳴り止んだと思ったら、今度は短く震える音が何度か立て続けに聞こえてくる。


あまりにスマホが主張してくるから堪えきれず、松村さんが「出てあげてください」って笑う。







仕方なしにソファから立ち上がり、スマホをカバンから取り出す。




スマホの画面には【不在着信:京本大我】の表示が映し出されていた。




.

30:怒りと焦りと→←28:勘違いしちゃいますよ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (258 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
944人がお気に入り
設定タグ:松村北斗,京本大我 , 田中樹 , SixTONES   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もえぎ | 作成日時:2021年9月15日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。