老婆と小瓶 ページ4
私はおつかいで長時間電車に揺れながら隣町までやってきた。
A「もう遠すぎ…なんで私にお願いしたわけ………」
思ってたよりも遠かったため、Aはため息と共に愚痴をこぼす。
A「まあ始まったことはしょうがないか……とりあえず早くすませよっと」
Aは切り替えてスポーツ店へと向かう。
A「ええっと、タオル3枚、ドリンク粉8袋。ゼリー飲料10こ。ボトルが……18本!?」
多すぎではないか。とAはおもわず口を開けたまま静止する。
A「なにこれ……監督はこれを私一人で持たせる気なの…」
次は薬局。
これまたテーピングやガーゼに
絆創膏などなど大量に。
出発前にちゃんとリストを見ておくべきだった…………それで悠馬もつれてこればよかった。
なんて後悔しながらとぼとぼとと電車へ向かう。
すると“どん„とだれかにぶつかってしまった。
その弾みで私はしりもちりをついた。
老婆「ああ、ごめんよお嬢ちゃん。」
A「…ったた…あ、大丈夫です。こちらこそごめんなさい。」
私がぶつかったのは黒いコートをきた老婆。
老婆「本当にごめんなさいね…あ、お詫びにこれを差し上げます。」
そういって老婆はコートのポケットから小瓶を取り出した。
A「それは……?」
老婆「これはね。好きな人と両思いになれる薬だよ。」
A「え…両思いに?」
吹雪を思い浮かべるA。
老婆「ええ。この薬を好きな相手に飲んでもらうの。ただし、効き目は3週間よ。この3週間で相手を惚れさせること。この薬を飲んだ者には貴方が何をしても愛しくおもえるの。」
でも…と老婆は付け足した。
老婆「もしも3週間以内に惚れさせられなかったら、その相手は永遠に貴方を好きになることはないわ。」
永遠といわれ一瞬戸惑いをみせたAだが、決意を決めたという表情で
老婆に言った。
A「私………欲しいです、その薬。絶対3週間で惚れさせてみせます!」
すると老婆はにっこり微笑んで「良いでしょう」とAに小瓶をそっと手渡し、私と逆方向の道へと去っていった。
338人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなこ x他1人 | 作成日時:2019年2月10日 0時