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こーゆー時に限って次の日もメンバー全員での仕事だった。
正直今は太輔の顔見たくなかったのに
続々とメンバーが集まって来た。
でも太輔はまだ来ない。
ーガチャッ
「おはよ」
「はよ…」
しばらくして開いた扉
見なきゃいいのに読みかけだった本から視線をドアの方へと動かすと、みつと太輔が連れだって一緒に入ってきたところだった。
あの後みつに一晩中慰めてもらったのか…
なんて卑屈な事を考えながら本へと視線を戻すが内容は全然頭に入ってこない。
その後、充てがわれた衣装に着替えてスタッフに呼ばれるまでの時間誰にも声を掛けられたくなくて控え室の隅のソファーで目を閉じて寝たフリをしていた。
「…たー?わったー?」
「…ん?時間?」
遠慮がちに声をかけて来たのはニカだった。
「うんん…そうじゃないけど…」
「じゃあなんだよ」
正直今はほっといて欲しい
「ねぇ…だいじょうぶ?」
そんな俺の心情に気づいてないのか構わず隣に座ったと思ったらピトッと額に手が当てられた。
ーガシャン!
それと同時に何かが派手に落ちる音が室内に響いて額に当てられた手をさり気なく剥がしながらそちらを見やると太輔が落とした私物をのろのろと立ち上がり拾い上げようとするところだった。
あーあ…何やってんだ…
思わず立ち上がってしまいそうな衝動をぐっと堪える。
今までだったら駆け寄って甲斐甲斐しく世話を焼くところだけどもうそんなことしてやる必要はもうない。
事実、落とした物を太輔より早い動きで拾い上げながら「何やってんだよ」とか軽く咎めるみつに「ごめん」ってハニカミながら謝るその光景に思わず唇を噛み締める。
「わったー?」
「…ん?」
「熱はないね」
「ねぇよ」
俺の顔を覗き込む心配そうな表情にふっと現実に引き戻される。
「ならいいけど…わったーごはんちゃんと食べた?」
「食べてるよ」
「ウソだっ!」
「うるさいなぁ〜」
「ねぇ、今日終わったらごはんいこ?オレ、鍋食べたい!」
「お前…ただ鍋行きたいだけだろ?」
「うわぁ〜なんでバレんの?」
「ばーか、そんなのバレバレだわ」
そんな風に調子よくニカが絡んで来てくれたおかげで肩を寄せ合って喋るみつと太輔から意識を逸らすことが出来た。
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緒直(プロフ) - 完結お疲れ様でした!と、おめでとうございます。短編の時から大好きな作品で毎回更新を楽しみにしておりました!すれ違い続ける2人の感情に涙する事もありましたが最後には笑顔で幸せそうな彼らになって私も幸せな気持ちです!素敵なお話をありがとうございました♪ (2016年9月13日 0時) (レス) id: 8f38dfd30e (このIDを非表示/違反報告)
みつる(プロフ) - 完結おめでとうございますvお疲れ様でしたvvタイトルが示す通りの距離、隔たり…すごく切なくかなり太輔さんに感情移入して読んでた作品です♪渉さんの所へちゃんと思いが届いて身の心も包まれて良かったねv太ちゃん♪凄く素敵なお話ありがとうございました♪ (2016年9月13日 0時) (レス) id: 14851cd1e7 (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - すみません。こちらにもフォロー申請は来ていたのですが、まだフォロー許可待ちになっています。もう一度ご確認いただいてよろしいですか? (2016年9月12日 17時) (レス) id: b35bb13645 (このIDを非表示/違反報告)
you☆彡(プロフ) - 北斗さん» 今承認させて頂きましたのでご確認くださいませm(_ _)m (2016年9月12日 16時) (レス) id: d9bdb00312 (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - フォロリクしたのが外れていたみたいで、再び申請させていただきました! (2016年9月12日 15時) (レス) id: b35bb13645 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:you | 作成日時:2015年9月6日 16時