Episode096 ページ47
Aside
ドドドドドドッ
私はそれを大量にぶっ放しながら、弧月を振り回した。けれど相手はシールドで弾をガードしながら私の斬撃をかわして、後ろに跳んだ。私はそこですかさずグラスホッパーを起動し、一気に距離を詰める。
「っぐ、」
「遅い!」
ザン、
そして私はそいつの胴を真っ二つにして、六本目の勝利を収めた。
.
「ほんと先輩って容赦ないっすよね」
「いやいや、京介結構強いし加減してたらこっちがやられるじゃん」
京介と個人ランク戦を終わらせたところだった。現在京介はフリーのB級隊員で、入隊してから丁度一年ほど経つので、経験も相まってかなり実力のあるボーダー隊員になっていた。ランク戦ブースのソファーで、私達は一息つく。彼は冷静沈着な性格で好戦的ではないものの、何だかんだ言いながらかなりの頻度でランク戦を申し込んでくるので、純粋にランク戦をするのは好きなのだろうなぁと勝手に想像している。
「去年の五月に入隊したんだっけ?」
「そうっすね。先輩と初めてランク戦したのは仮入隊のときでしたけど」
「伸びたねー京介」
「太刀川隊もランク駆け上がってるじゃないすか」
「んーまあね」
そうだったそうだった、京介は仮入隊のくせにいきなり私にランク戦を申し込んできたのだった。
あのときはボッコボコにしてやったけれど、今では手抜きは許されないくらいには強いのだから、本当に成長が早い子だと思う。そして太刀川隊はというと、A級に昇格してから実に約一年が経つ頃であった。現在私達の順位はA級三位。上にはスナイパーの東さんが率いる新生の東隊がいるのだが、この構成員がえぐい。二宮さんや三輪や、有名なシューターの加古望さんがいるという厄介なチームだ。
そのためウチはなかなか上には行けない。
「けど四位の隊もなかなか強いし、遠征目指すなら全然油断できない状況なんだよね」
「あー。基本一から三位の隊が行くやつっすよね」
「うん。もうちょっとステップアップしたいし色々新しい戦術とか個人的にも考えてるんだけど、なかなかねー」
私達太刀川隊の目標は、遠征部隊に選ばれることだ。それはかなり実力のある隊でないと不可能なわけで、単純に考えれば上から順にA級一から三位の隊になれば行くことができる。まあ、遠征選抜があるので絶対にそうとは言い切らないが。
「そうなんすか?」
「うん。でも物足りない気もするし、なんか切り札ないかなー」
今季こそは、絶対に遠征に行きたいという気持ちが私の中にできていた。
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亜桜(プロフ) - 深未さん» つけてないですよ〜! (2019年12月18日 8時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
深未 - 夢主ちゃんバックワームつけてないの?笑 (2019年12月18日 0時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 霧月さん» そんなに嬉しいお言葉を頂けてうれしいです(T^T)続編更新致しましたのでそちらもよろしくお願いします! (2018年10月8日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - とても面白いです!!夢主ちゃんの性格も大好きです!!更新楽しみにしてます(≧∇≦*)大変だと思いますが、頑張ってください! (2018年10月8日 0時) (レス) id: 77a041f6c8 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - R.Oさん» ありがとうございます(T ^ T)がんばります!! (2018年8月22日 16時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜桜 | 作成日時:2018年6月15日 17時