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Episode087 ページ38

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世の中は、イラつく奴らばかりだ。
どいつもこいつも、人を勝手に見た目で判断して、負の感情を向けてくる。あからさまに怖がって近寄ってこないやつはまだいいが、好意があるフリをして近づいてくる奴はタチが悪くて嫌いだ。


「結局どこでも一緒かよ……」


コツ、コツ、と廊下を歩きながら呟いた言葉が、マスクの中に留まったまま死んだ。誰にも訊かれることはない。学校でも”ここ”でも、結局他人から俺に向けられるものは同じだった。ヒソヒソ、と俺を見ながら話すのが訊こえる。腹が立って死にそうだ。


「あの〜〜、すいません」


不意に背後から声がして、ハッと俺は振り返った。いつもならこの”クソ能力”のせいで気配が分かるのに、この女を察知することができなかった。こいつ今、俺に対して無感情なのか……?


「あ?」
「通りたいんですけど……道、あけてもらえませんか?」


そいつは大きなダンボールを持っていて、廊下のど真ん中を歩いていた俺に退いて欲しかったらしい。俺に堂々とそんなこと言ってくる奴は久しぶりで、少し驚いた。


「……やばいよ、あの子殺されるって……」
「ひぇ〜〜よく声かけたね……」


周りからヒソヒソと声が訊こえて、俺はチッと舌打ちをした。声を掛けられた程度では殺すわけもないのに。


「どこ」
「っえ」

 
瞬間ヒョイッと俺はそいつが持っていたダンボールを持ち上げて、これをどこに持って行くのかと問う。その女がさっきまでより低い声でリアクションをして、ダンボールで見えなかった顔が見えた。


「はやく言え重い」
「、あ、太刀川隊の隊室です……」


その声のトーンのままそいつがそう返して、俺はさっさと歩きだした。太刀川隊、訊いたことのある名前だな。その女が、不思議に感じながら俺に付いてくるのがわかった。


「……え?荷物運んであげてる?」
「絶対怖い人だと思ってたのに!」
「意外と優しいとか……?」


能力など使わなくても、周りの人間の感情は口からそのまま出ていた。いちいち腹が立つ。他にも色々な感情がチクチクと刺さって、でもさっきまでより不快には感じなかった。後ろの女からは何も刺さってこない。


「お前名前は」
「亜桜Aです……」
 亜桜な、と俺は心の中で勝手にリピートした。
「訊いたなら名乗ってくださいよ〜」


そいつがさっきより高い声でそう言って、俺の隣に並んだ。能力のせいで、いちいち態度を作っていることは分かった。


「影浦雅人」


ぽつり、と乱暴に呟いた。

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亜桜(プロフ) - 深未さん» つけてないですよ〜! (2019年12月18日 8時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
深未 - 夢主ちゃんバックワームつけてないの?笑 (2019年12月18日 0時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 霧月さん» そんなに嬉しいお言葉を頂けてうれしいです(T^T)続編更新致しましたのでそちらもよろしくお願いします! (2018年10月8日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - とても面白いです!!夢主ちゃんの性格も大好きです!!更新楽しみにしてます(≧∇≦*)大変だと思いますが、頑張ってください! (2018年10月8日 0時) (レス) id: 77a041f6c8 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - R.Oさん» ありがとうございます(T ^ T)がんばります!! (2018年8月22日 16時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜桜 | 作成日時:2018年6月15日 17時

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