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Episode074 ページ25

Aside



失くなった片腕からのトリオン漏出が多い。トリオン切れも怖くなってきた場面だし、ここからは傷口を増やさず尚且つ弾ではなく弧月を使う必要がある。こんな面白い勝負でトリオン切れは嫌だ。


「まあけど、それが仇になることもあるんだよ」
「は」


迅さんの腹に刺さっている私の弧月。それを抑える彼のスコーピオン。そのスコーピオンが凄い速さで私の右腕を切り落として、私は目を見開いた。やば、私今両腕失くなっ……


ザクッ


そして再び来た感覚に、流石にまずいことを悟る。だってそれは自分の右足が無くなる感触だったのだから。


ドスッ


私はバランスを崩して後に倒れ込み、迅さんがそこに覆い被さるように私の上に影を作った。首元にはスコーピオンの剣先がある。


「両腕と脚切ってから殺るとか……ドSですか」


私は倒れたままの仰向けの状態で、その人を見つめて苦笑いした。


「いやいや、そんなシュミじゃないよ」


その人はへらっと笑って。剣先を向けながらそんな顔をされても……今殺されかけているというのに。


「楽しかったし、また今度ランク戦しない?」
「いや迅さんS級なっちゃうじゃないですか」
「あそっか、そりゃダメだ」


ははは、と迅さんが笑って、直後にザシュ、という鈍い音が鳴いた。


『トリオン供給機関破壊、ベイルアウト』


ボフッ、と私はベッドに落ちた。


.


「完敗です……」
「えー結構良い勝負だったでしょ」


迅さんが自販機でジュースを買って、それをベンチに座る私に投げた。


「私が勝つ未来って、一つでも視えてましたか」


私はそのジュースをぎゅっと握って問いかける。迅さんは困ったように笑った。


「残念だけど視えなかったよ」
「えええ実力差ハンパな……」
「まあおれはAちゃんより長くボーダー居るから」


一つくらいあって欲しかったと私は口を尖らせた。確かに太刀川さんでも追い越すのに時間を要した人だから、私がそう簡単に勝てるわけもない。


「てかAちゃんってそーゆー感じの子なんだね」
「え?」
「おれと話すときいつも緊張してたみたいだからさ」
「あー……」


迅さんは憧れの先輩で、私はずっと素で接することができなくて。でも今は前より素に近い状態で迅さんと話すことができている。太刀川さんと近いものを感じたから、なのかもしれない。


「ま、Aちゃんはもっと強くなれるよ」
「な、撫でたらいいってもんじゃないですよ!」


わしゃわしゃと頭を撫でられて、私は嫌がるフリをした。

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亜桜(プロフ) - 深未さん» つけてないですよ〜! (2019年12月18日 8時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
深未 - 夢主ちゃんバックワームつけてないの?笑 (2019年12月18日 0時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 霧月さん» そんなに嬉しいお言葉を頂けてうれしいです(T^T)続編更新致しましたのでそちらもよろしくお願いします! (2018年10月8日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - とても面白いです!!夢主ちゃんの性格も大好きです!!更新楽しみにしてます(≧∇≦*)大変だと思いますが、頑張ってください! (2018年10月8日 0時) (レス) id: 77a041f6c8 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - R.Oさん» ありがとうございます(T ^ T)がんばります!! (2018年8月22日 16時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜桜 | 作成日時:2018年6月15日 17時

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