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Episode070 ページ21

米屋side



ああ雨だるいなー。なんて思う。秋雨前線だとか何だとかが近づいているんだったか、なんとなくじめじめするし雨は嫌いだ。秀次のやつも雨が降るとテンション下がるし。


「!」
「っ!うおっ!」


前を見ていなかったオレも悪かった。曲がり角で人にぶつかりそうになって、相手はカタンと傘を落として尻餅をついてしまう。


「え、あれ弾バカじゃん」
「なんだよ米屋かよ」


どうやら相手は出水らしく、そいつはわしゃわしゃと頭を掻いた。傘を落としたせいで髪は濡れていた。


「女子とぶつかって少女漫画始まるやつかと思ったわ」
「お前の思考それしかねーのな」
「んなことねーっての、てか大丈夫か?」


オレはすっかり濡れてしまった出水に手を伸ばして、そいつがそれを掴んで立ち上がる。パシっと乱暴に傘も手にとった。


「制服びしょ濡れ、最悪だな」
「あらら……あ、おれん家近いけど風呂入ってく?風邪引くだろ」
「マジ?そーさせてもらうわ」


様子が変だな……とは、この時点で気付いていた。


.


「わりーな」


出水が風呂から上がってきて、タオルで濡れた髪を拭いた。


「いーっていーって。制服そこのドライヤーで乾かしとけよ」


まあ乾き切るとは思えないが、やっておくだけ損はないだろう。出水は礼を言ってドライヤーを手にとった。


「……で、何があったわけ」


出水がカチッとドライヤーを付けると共に、オレはそう問いかけた。声はちゃんと届いていたようで、出水は目を逸らした。


「……あいつが、S級あがるって言い出して」
「は、?どういうこと?」


あいつ、だけで、誰のことか分かった。S級といえば普通のトリガーではなく黒トリガーを使う上に、隊を組むことは不可になる。それをあいつが選んだということか?


「適合者が多い黒トリガーがあるらしくてさ、その適合者の一人にAが選ばれたんだよ」


出水は制服をドライヤーで乾かしながら言葉を投げた。オレには背を向けていて、オレはその背中を見つめた。


「あいつは、太刀川隊じゃなくなっても力が欲しいって」


亜桜の一番の目的は、遠征に行って親友に再会すること。そのためなら、あんなに思い入れのある太刀川隊を離れることも厭わないというのか。そこまでだとは、思っていなかった。


「それ訊いたらなんかカッとしてさ、一方的に怒鳴って帰った」
「うおーマジか」


亜桜の親友を探したい気持ちがそこまで強いとは思っていなかったし、出水にとっての亜桜が、そこまでとも思っていなかった。

オレはボフっとソファーに座った。

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亜桜(プロフ) - 深未さん» つけてないですよ〜! (2019年12月18日 8時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
深未 - 夢主ちゃんバックワームつけてないの?笑 (2019年12月18日 0時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 霧月さん» そんなに嬉しいお言葉を頂けてうれしいです(T^T)続編更新致しましたのでそちらもよろしくお願いします! (2018年10月8日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - とても面白いです!!夢主ちゃんの性格も大好きです!!更新楽しみにしてます(≧∇≦*)大変だと思いますが、頑張ってください! (2018年10月8日 0時) (レス) id: 77a041f6c8 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - R.Oさん» ありがとうございます(T ^ T)がんばります!! (2018年8月22日 16時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜桜 | 作成日時:2018年6月15日 17時

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