7.朝 ページ10
昨夜、神威さんの元へと資料を届けに行った私は、そのまま布団へと飛び込み、疲れて眠ってしまったらしい。
溜息をつきながら、寝惚け眼でシワのついた隊服をみる。
…今頃みんなはどうしているのだろうか。
今や彼らとの繋がりはこの隊服と愛刀だけなのである。
また、携帯電話は落としてしまったのか、目が覚めたときにはポケットから無くなっていた。
そもそも、あったところでこの宇宙空間から小型の通信機器なんかで連絡が取れるとは思えないが…。
後で気づいたことなのだが、この部屋には風呂が付いているらしく、浴室へと繋がる扉があった。なぜ入らずとも浴室とわかったのかと言うと、「Bathroom」と書かれた札がぶらさがっていたからである…。
…なんか海賊の船って感じがしないな。これが、以前この部屋を使っていた人のもので、片付け忘れだと言うのならば、その人は海賊に向いていないと思う。確実に。
とりあえず、早く風呂を済ませてしまおうと部屋へと入る。
部屋の中は、寝室と同じように質素ではあるが、作りは一般的なホテルのようになっていた。なんと洗濯機までもが置いてあり、組織内でも立場の高い人が使っていたのではないかと思われる。
さらにはご丁寧に服まで置いてあった。…チャイナ服だが。
かなり時間が経過してしまい忘れていたが、私は昨日戦闘任務だったのだ。もちろん、隊服には私が倒した攘夷浪士たちの返り血が付いたままだ。
早く脱いでしまおうと隊服に手をかける。
しかし、ふと気になり、昨日斬られた箇所を見る。
圧迫感を感じていたためなんとなく気づいてはいたが、やはり包帯が巻かれていた。かなり丁寧に巻かれているが、誰がやってくれたのだろう…。
包帯をゆっくりと外していく
「………」
最後まで解き終えたとき、
"やはり"足に傷はなかった。
____________
入浴を済ませた私は隊服を入れ洗濯機を回す。
隊服を洗っている間は仕方がないがチャイナ服を着ることにした。
できれば、思い出の詰まった隊服を部屋に放置、なんてことはしたくはないのだが。
2人からなにも指示を受けていないため、早く起きたところですることがない。というか本当になにをすればいいんだ私は。
誰かしらに会えるだろうという気持ちで、私は部屋を出た。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飽 | 作成日時:2019年8月11日 18時