15.強制 ページ20
「力ずくでってこともできるんだけど、まずは君がそれほどの価値があるか確かめなくちゃね。俺は強いヤツと戦いたいんだ。弱いやつに用はない。」
攫っといて上から目線だな。でも、逆に遠慮ぎみ、というのもそれはそれで気持ち悪いのだが。
しかし、本当にとんだ戦闘狂である。いや、人のことをいえたものでは無いのだが、さすがに私はこれほどまででは無いだろう。
「早速手合わせ、といいたいところだけど。昨日の星の近くにまた星があったみたいで、先にそれを滅ぼさなきゃならないんだ。手伝ってよ。」
星を滅ぼす、だと?そんな簡単に…。
それに、いくら相手が天人とは言えど、罪悪感がある。その星は、彼らにとっての故郷なのだ。それを滅ぼすなんて…
「それは…」
「問答無用。ここから追い出されて塵になるのと、どっちがいい?」
「手伝わせて頂きます。」
例のニッコニコとした笑顔でいうものだから拒否なんてできるわけがなかった。
_______________
目的の星に到着し、船の外へと出る。
数日ぶりに吸う外の空気はやはり美味しかった。
思わずその場で深呼吸をする。
すると、後ろから力強い衝撃を受けて、軽く吹っ飛ばされる。
「あぁ、ごめんね?目の前で止まったもんだからつい。」
つい、ってレベルの力じゃないぞ…。神威さんはもう少し自分の力の強さを自覚した方が…いや、自覚している。じゃあわざとか。わざとなのか。
「おいおい団長、女子には優しくするもんだぜ?」
先に降りていたのだろうか、前から歩いてきた阿伏兎さんが呆れ顔でそういった。
「確かに、Aは強い子どもを産みそうだ。殺さないことにするよ。あ、それとも俺と強い子、作る?」
「笑えない冗談はやめてください。」
殺す殺さないなど、そんな簡単に言える当たり、夜兎族は相当殺しをしているのだろう。
もし私がどこの組織にも所属していないとして、この組織に入ろうなどと思うのだろうか。
そして、その未来を進んでいたらと思うと…。
____しかし、なんともいえない好奇心が脳内を駆け巡る。
『夜兎の血の本能』とでもいうのだろうか。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飽 | 作成日時:2019年8月11日 18時