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ut「…ほんで、なんで死のうとしたん？」
少女が笑ったのはほんの一時の間だけで、今は先程のように儚げな瞳で歩道橋の下を見つめていた
「貴方には、関係ないことでしょ？」
ut「関係なくても、誰かに話すことで楽になることもあるやろ」
「…そっか、不思議な人だね」
少女はくるっとこちらへと体を向け、ゆっくりと口を開く
「私ね、親に捨てられて一年前まで孤児院にいたの」
ut「孤児院…？」
聞きなれない単語に思わず聞き返すと、少女はコクリと頷く
「親に捨てられた子供たちが一緒に住んでいるところ。…同じ境遇同士、私達はみんな仲が良くて、たとえ親がいなくても毎日楽しかった」
「…でもね、ちょうど一年前、ここが悪くなったの」
少女はトン、と指先で自分の心臓を突いた
「孤児院には居られなくなって、今の病院に入院した。…でも孤児院には私の治療費を払うお金なんてない」
「だからといって私の治療を辞めるのは法律が許さなくて、私の治療費は税金で賄われることになった。」
「実質タダで治療を受ける私を他の患者は気に食わなかったらしくて、すぐに病室内で浮いた。個室に移動しても、私の担当医も他の患者と同じ意見みたいで。ただ淡々と治療だけ施してるの」
「そしたらね、私が何のために生きているのか分からなくなって…もういいや、って思ったの」
なんやそれ、というのが素直な感想だった。
命はお金に代えられるものではない。
治療費が払えないからといって、この少女が治療を受けてはいけないという理由にはならない。
ut「転院とか出来んの？さすがに酷すぎるんちゃうか？」
「ううん…。私の病気を治療するにはこの病院じゃないとダメらしくて。」
ut「そうか…」
なんて声をかけていいか悩んでいると、少女が先に口を開いた
「ありがとう、聞いてくれて。」
ut「ええよ。…上手く言えんけど、君は君のしたいことをすればええんちゃう？誰にだって幸せになる権利はあるんやで」
「…うん、そうだね。」
ふと時計を確認すると、もう0時近くになってしまっていた
スマホを取り出し、タクシーを呼ぶ
ut「病院まで送るわ。もう遅いし」
「…いいの？」
ut「おん。こんな時間に女の子一人で帰るんは危ないやろ」
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リンゴ(プロフ) - on……Twitterできないンゴ…（泣） (2020年1月21日 19時) (
レス) id: aa68c2f553 (このIDを非表示/違反報告)
伊玖 - やばい泣きそう。この作品好きです。サイト変わっても、頑張って下さい (2020年1月13日 21時) (レス) id: c7c0ec82fd (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 矢吹由佳さん» ボードの方にお邪魔してよろしければ、そちらに書き込ませていただきますがよろしいでしょうか？？ (2019年12月27日 17時) (レス) id: bd02fe3886 (このIDを非表示/違反報告)
矢吹由佳(プロフ) - え…Twitterできない民はどうしたらいいでしょう…？ (2019年12月27日 17時) (レス) id: fb9a708175 (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - Venusさん» そう言っていただき本当に嬉しいです、ありがとうございます！よろしければ、Venusさんのボードの方にお邪魔してそちらに書き込ませていただきたいと思うのですがいかがでしょう？ (2019年12月27日 15時) (レス) id: bd02fe3886 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2019年9月16日 23時
