第36話 ページ39
*レイ side*
牢に入って、どれくらい経っただろうか。
何事も無かったかのように地下へ現れたチーノ先輩が、見張りの兵士に声をかける。
チ「あ、君君」
兵士「ハッ！ いかがなされましたか、王子」
チ「なんか知らんけど、女王が呼んでたで。はよ行かんと、またグチグチ言われるぞ〜」
兵士「か、かしこまりました。ご伝達、ありがとうございます」
チ「ええよええよ。ここは俺が見てるから、はよ行き」
「失礼いたします！」と敬礼し、兵士は足早に去っていった。
兵士が完全に見えなくなるのを待ち、チーノ先輩が手早く牢を開けてくれる。
チ「ごめんな。お待たせ」
レイ「いえ……！ ご無事で何よりです」
彼の姿を目にした瞬間、ふっと緊張が解けてしまう。
しかし、まだ作戦は終わっていない。
チ「予定通り、俺が今まで送った我々国の情報は全部消したし、代わりに
縄をナイフで切り、チーノ先輩は私の手を取る。
チ「恐らく、俺のした事はすぐにバレるはず……。さっさとずらかろか」
レイ「はい！」
チーノ先輩に手を引かれ、私は地下牢を飛び出した。
ー＊ー＊ー＊ー
チ「近くの森に、逃走用の車を用意しとる。そこまで辿り着いたら、もう勝ったも同然や」
城内を走りながら、チーノ先輩はそう言う。
……これで、我が軍が危機にさらされる事は無いだろう。
それどころか……このアリメンターレ国を、打ち倒す事ができるかもしれない。
緊張と興奮から、ドクドクと鼓動が速まる。
しかし、それは一瞬にして消え去る事となった。
チーノ先輩が突然足を止めたので、それに続くように私も止まる。
レイ「ど、どうしたんです＿＿＿」
不思議に思って前を見やり、私は息を呑んだ。
そこには───カーラ女王が
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空文 晴霧(プロフ) - suzurei/鈴玲さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
suzurei/鈴玲 - 更新頑張ってください…！応援してます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: 54995dabe3 (このIDを非表示/違反報告)
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