第13話 ページ15
*レイ side*
チ「あー、ここここ。鬱の兄さんイチオシのお店」
まず連れてこられたのは、街の中でも規模の大きめな洋服屋。
パッと見、女性ものの方が多そうだけど……。
チ「48人の彼女とデートする時、毎回寄ってるんやって」
……やっぱり、彼女さんたちへのプレゼントのためか。
レイ「懲りませんね、あの人……。いつか、女性に刺されそうで怖いです……」
チ「自業自得やろw そんな事より、はよ入ろうで！」
チーノ先輩に促されるまま、私はお店の中に足を踏み入れた。
レイ「わぁ……！」
軍人とはいえ、私も一人の女。
かわいらしい洋服を目の当たりにすると、やはり胸が高鳴ってしまう。
チ「こういうとこ、あんま来おへんの？」
レイ「そうですね……。軍人という身分なので、気にする暇も無いというか……」
今日だって、年頃の娘にしては少し味気の無いラフな格好だ。
チ「えー、もったいな。せっかく美人さんやのに、着飾らんのもったいないで！」
レイ「びっ……!?」
容姿を褒められた事などあまり無いからか、さらっと言われたその言葉にカアッと顔が熱くなってしまう。
チ「ほら、こういうのとか似合うんやない？ って……どうかしたん？」
何事も無かったかのように服を物色し始めるチーノ先輩に、ハッと我に返る。
レイ「なっ、なんでもありません！」
チ「そう？ ほんなら、どんどん試着していこうや！」
妙に楽しげに服を選んでいく彼の顔を、気付かれないようジッと見つめた。
レイ「ど……どう、ですか？」
チーノ先輩が選んでくれたかわいらしいワンピースを着て、試着室のカーテンを開け放つ。
チ「うわっ……めっちゃ似合うやん」
待機していたチーノ先輩は、私を見つめて驚いたように目を丸くした。
レイ「ほ、本当ですか……？」
チ「ホンマホンマ！ いや〜、俺の思った通りや！ よっしゃ、それにしよ！ せっかくやし、着て行こうで！」
一気にテンションの上がったらしいチーノ先輩は、意気揚々とレジへ向かっていった。
レイ「……あっ、自分で払いますからね!?」
荷物と元々着ていた服を慌てて手に取り、私はチーノ先輩を追いかけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空文 晴霧(プロフ) - suzurei/鈴玲さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
suzurei/鈴玲 - 更新頑張ってください…！応援してます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: 54995dabe3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
