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次の日。Aは無事秋声に部屋まで送ってもらい、何事もなく睡眠をとることが出来た。さあ新しい一日の始まり。目覚ましは壊れてないか。部屋に設置してある三つの時計を何度も確認してからAは立ち上がる。今日の朝ごはんは何にしよう。そんなことを考えながら歯を磨き、顔を洗い、髪の毛を整え……いつものブラウスと似合うスカートを探していると突然、部屋にノックの音が響いた。
「はーい?」
「A、今日の朝食を急遽一人分増やしてくれないか」
「えっ、あ、お父様?! わ、わかりました!」
「ちょっとばかし大食漢の青年なんだが……一人分とはいえ量は何人分あっても構わない。一応作之助さんが手伝ってくれるから困った時はお互いで助け合ってくれ。それでは」
そしてドアの向こうの足音がだんだん遠ざかっていく。……嘘でしょ。





「んなわけで、ワシは天才やから米なら炊いといた!」
「は、はあ……ありがとうございます」
「よしよし、じゃあAちゃんカレー作ろか」
「カレー?!」
唐突すぎるぞこれ。しかし来る人が相当な大食漢ならカレーはある意味効率が良い。Aは作之助の案を採用すると早速大鍋を取り出してあらゆる具材を放り込んだ。その間作之助は味見したいわーと何度も何度もAに催促したがAはそんな作之助の願いを聞き入れることは無かった。

「できた!」
「おー!」
そして完成。食堂が香辛料の匂いで満たされる。先ほどまでの眠気もそんな匂いで覚まされる。けれども疲れていることに変わりはない。Aは思わず欠伸をしてしまう。
「…………疲れてるん?」
「そんな、作之助さんこそ疲れてるでしょう」
「ん、ワシは薬あるから……Aちゃん、先ご飯食べて寝たらどう? おっしょはんにもなんとか言うとくし…………大体、娘に大人数の食事任せるなんて親父さんも親父さんやろ」
「お父様のこと悪く言うのは……!」
「ほら、ええからええから! おいで、Aちゃん」
そしてAは半ば強引に、作之助に手を引かれる。
ずんずんと別館の方へ進んでいくと、Aは作之助の向かう方向が自室でないことに気付く。あれ、私の部屋ってあっちの方向……。
「ごめん、Aちゃんの部屋知らんわ、ワシの部屋の布団使ってくれんか」
「え」
「てなわけで到着! 安心し、布団に寝かしつけたらワシすぐ食堂戻るから。……大丈夫、まだやばいものは置いてへん!」
「は、はあ……」

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設定タグ:文豪とアルケミスト , 文アル , 二次創作   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:逆さ天然水 | 作成日時:2017年7月23日 9時

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