ATTENTION (ページ49)

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健太side

" 神谷くん、好きです "

" だからもう1回だけやり直したい。だめですか？ "

朝、ディスプレイに表示されている通知に溜息を吐き
スクロールして削除するとそのまま電源を落とす

健太「……鬱陶し、」

欲を処理するためだけのたかが都合の良い穴

俺にとってそれ以上でもそれ以下でもない分際で
半分執着のような態度を見せてくる女に嫌気が差す

ふと隣に視線を移せば、長い睫毛を伏せて熟睡中のA

健太「かわい、」

柔らかい髪を掻き分けて彼女の額にキスを落とした時だった

ピコン、と再びメッセージの受信を知らせるスマホ
ラグに落としていたそれを渋々拾い上げれば

" 急に関係切るとか何？一方的に決めないでよ "

先程の女とはまた別の元セフレ

健太「A、起きて」

「……んん、」

健太「気分転換に散歩でも行こうよ」

「なんの気分転換ですかそれ」

健太「いいからいいから」

ベッド下に散乱している下着を手に取る俺を
上体を起こし寝惚け眼でぽけーっと見つめてくる

「健太くん、電話鳴ってますよ」

健太「……マジで執拗いな」

通話終了ボタンを押し、その流れで全員ブロ削すると
クローゼットを覗くAをバックハグで抱き締める

いつもの甘い匂いの中に若干混ざる俺の匂いについ頬が緩む

健太「……好き」

健太「って言ったらどうする？」

「どうも何も今まで築いてきた関係が崩れちゃうだけ」

健太「俺はそれでもいいからAが欲しい」

「……大丈夫ですか？」

振り返り、平然とした顔で俺の頭を心配してくる

この子に可愛げなんて物は存在していないに等しいけど

俺らにとっては唯一無二の姫だし
男16人一生隣で支えて行きたいなんて思ったりしてるよ

.

さて、健太クリス神谷さんと晴れて仲直りしたところで
キリ悪くも49ですがここで一旦完結とさせて頂きます。

ここまで作者の妄想にお付き合い下さった皆様
本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございました。
また続編の作成については検討中です。