ATTENTION (ページ46)

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仲直りページ46

Aside

朝、遮光カーテンのおかげで未だ薄暗い寝室
海青のゴツい腕の中でルーティンであるSNSチェック中

突然着信画面に切り替わったディスプレイ

そこに映し出されているのは " 神谷健太 " の文字
渋々スマホを耳に当てれば、私の名前を呼ぶ声が聞こえてくる

健太「A、ほんとにごめん」

「……はい？」

健太「そろそろ許してくんなきゃ飢え死んじゃうよ！！」

不意の音割れにスマホからハッと距離を取る

スピーカーにしていないにも関わらず漏れ聞こえてくる声に
海青を起こしかねないので場所を移動することに

謝罪の内容はきっと先日の問題発言についてだろう

「もういいですよ」

健太「えっ、ほんとに？」

「今日でちょうど1週間だし」

健太「じゃあ今から家行ってもいい？」

「無人で良ければどうぞ」

健太「なにそれ、急に虐めないで」

健太「ていうか今どこにいんの」

そんな彼氏擬きな健太くんの言葉に
海青の家、なんて答えた暁にはどんな反応をするのだろう

壁に背中を預けそのまま廊下に腰を落とすと
お気に入りのペディキュアを撫でながら興味本位で答えてみる

そしたら暫くの沈黙の後、

健太「ごめんウーバー届いて聞いてなかったわ」

「最低」

健太「ちょっと待ってて、水持ってくる」

スマホからどんどん遠ざかっていく健太くんの声

どこまでもマイペースな彼に自然と頬が緩んだ時
ガチャ、と開いた寝室の扉から顔を覗かせた海青と視線が交わった

海青「おはよう、何してんのそんなとこで」

「健太くんと電話」

海青「……あぁそう。朝飯鶏むね肉でいい？」

「本気？」

海青「本気」

まだ少し掠れた声でそう呟くと、デカい欠伸をかまし
御手洗へと消えて行った海青に唖然とする

……私もウーバーしちゃおうかな

健太「これ食べたらAの家行くね」

「せめて夜にしてもらえます？私にも用事が、」

健太「おけおけじゃあね」

ブチッ、と一方的に切られた電話に心の底から溜息を漏らした

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