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海青side

ゲーム部屋の光だけが漏れる薄暗いリビング

全身を覆うように俺の毛布を被り
規則正しい寝息を立てるAの頬に軽くキスを落とす

無防備な女を前に、それだけで気が済む男なんていないわけで

海青「まだ22時にもなってないんですけど」

「………」

海青「久々の泊まりやってのにガチ寝する気？」

ラグに腰を下ろし、綺麗な仰向けで眠るAの顔を
半強制的にこちらへ向かせると薄らと開いた瞳

……シンプルにこの顔がタイプやねんなぁ

「眠いんだもん」

海青「もうずっと寝てたやん。3時間は経つで」

「海青はその間なにしてたの」

海青「昂秀とエペしてた」

「お得意のね」

うるさいと思った、なんて再びそっぽを向こうとするAに
阻止するように覆い被さり強引に自分の唇を押し当てる

酸素を取り込もうと僅かに開いた隙間から舌を侵入させれば
満更でもなさそうな顔で案外素直に絡めてくる

「……明日何時から？」

海青「一日オフ」

「私も。時間気にしなくていいね」

俺にしがみつくように上体を起こし
耳から首にかけて吸い付いてくる度に何度も響くリップ音

海青「あのさ、A」

「ん？」

" 縁切ったんですって。Aさんのために "

先程の昂秀の発言が何度も頭の中でリピートされる

不思議そうに首を傾げて俺の言葉を待つAに
喉で引っかかる彼の名前を、吐き出してしまう前に飲み込んだ

海青「今日のアイメイク可愛いな」

「うそ、今まででメイク褒めてくれたの海青だけだよ」

海青「平気で嘘つくやん笑」

「……あ、そういえばお風呂まだだった」

海青「じゃあ一緒に入ろか」

嬉しそうに大きく頷いたAにもう一度キスを落とし
そのまま優しく抱き上げると浴室へと直行した

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