ATTENTION (ページ31)

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争奪戦ページ31

Aside

ライブ後のルーティンを一通り終え
マッサージルームから楽屋へと繋がる廊下を歩いていたら

突然何者かにグイッと腕を引っ張られ思わずバランスを崩す

「……っなに、」

ハッと顔を上げれば、某動画館のカメラが視界に飛び込んできた

私の腕を掴んでいた昂秀の手はそのまま腰に回され
その隣ではグッズに夢中な慎、弁当の山を眺める健太くん

……なにこの珍しいメンツ

慎「Aさん、今回は盛れてますね」

ツアーグッズの1つであるフォトキーホルダーを片手に
印刷された私の顔を凝視している慎

今回は、を無駄に強調されてるあたり不服だな

慎「RMPG問題作っすもんね」

「どこがよ、いい笑顔だったでしょ」

昂秀「まぁファンの方からは好評だったみたいですけど？笑」

健太「……なに今日の弁当肉もあったの？」

健太「今見たら魚しか残ってなくて萎えたんだけど」

口をへの字にして割り箸を咥えながら、半分見切れた状態で
1人ぶつぶつ小言を言い始めた健太くん

ケータリングコーナーには余った魚弁が寂しく積まれていた

慎「肉6の魚11だったみたいです」

健太「明らか割合おかしいじゃん。まぁ別にいいけどさ」

昂秀「何なら俺も今日魚っすよ」

慎「ちなみに俺も」

お前は？とでも言いたげな3人の視線が突き刺さる

お弁当の争奪戦は毎度恒例行事になりつつあるもので
早い者勝ちという概念が確かに存在しているはずなんだけども

真っ先に肉弁取りました、なんて口が裂けても言えない雰囲気

「……これを編集するスタッフさん、」

「次回からお弁当の数には気を利かせてください」

昂秀「あ、逃げた」

未だホールドされたままだった昂秀を壁にしつつ
ピクッ、と眉を動かした健太くんからの逃走を図る私

今日は絶対1便目で帰ってやるんだから

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