ATTENTION (ページ22)

今日:21 hit、昨日:58 hit、合計:224,239 hit

・ページ22

龍side

朝、目が覚めると
視界に飛び込んできたのは昂秀の派手な後頭部

龍「……あれ、Aさん？」

ハッと上体を起こして寝室を見渡してみるけど

昨晩、確かに俺と昂秀の間で
眠りについたはずのAさんの姿はどこにもなくて

未だ気持ち良さそうに熟睡中の昂秀を起こさないよう
静かに廊下に出た途端、鼻を掠める甘い香り

……もしかして、

「あ、龍ちゃんおはよう」

俺の予想はまさかの的中

龍「……えっ、あのAさんが料理なんてしてる、」

「なにその反応」

慌ててスマホを取り出し、すぐさまその後ろ姿を収める
そして俺達のグループLINEに許可なく送り付けておく

今撮ったでしょ、なんて笑う彼女を気が付けば抱き締めていた

龍「Aさんって卵焼き作れたんですね」

「ちなみにチーズイン」

龍「焦げちゃうんで集中してください」

俺の腕の中に面白いくらいにすっぽり収まり
口角を上げたドヤ顔で俺を見上げてくるAさん

翔吾どういう風の吹き回し?

彰吾らしくないことしてんなぁ

RIKU思わず窓の外見ちゃった。晴天だった。

翔平午後から雨っすよ

瑠唯おもろ

健太なに作ってんの

健太おい返信しろ阿多

ブーブーうるさいスマホの電源をぶち切りポケットに突っ込むと
Aさんの首に顔を埋めたまま腕に力を入れる

正直卵焼きなんかよりこっちを優先的に食べちゃいたい

「失敗したら龍ちゃんのせいね」

龍「……そんなことよりベッド行きません？」

「昂秀いるでしょ」

龍「そうだった。追い出してきます」

「やめてあげて」

.