▼その手は絶対に ページ34
side---> Motoki
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ぺけから連絡が来たのはほんの数分前。
店の入口でファンの子とAが言い争いになってるだなんて
俺は急いでマサイの家を出ようとしたけどそれをシルクに引き止められる
silk「行くなら全員で行くぞ」
内容なんて聞かなくても俺らはわかる
車内は全員無言。ただ、車のエンジン音だけが響いていた
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店の裏口の程近くにあるパーキングに止める
するとそこにはぺけの姿があった
聞きたいことはあるけれど、まずは言い争いを食い止めるのが最優先
ぺけに連絡ありがとうと告げて俺は現場に向かおうとした
が、手を掴まれた
peke「もっきゅんあのさ、後で俺謝るからお願い・・・辻元さんのしたいようにさせてあげて」
そう告げられたあと、こっち!といって腕を引かれる
ぐるりと回って入口付近の物陰に隠れてみれば、若い女の子2人に迫られるAの姿
きっと彼女も相手が年下だろうとおもっているのだろう
物怖じはしていないし、むしろ様子を伺っているような・・・
彼奴は勉強は好きなもの以外大の苦手なくせに頭の回転は早い
あまり喧嘩はしたことないが、した時は理詰め勝負で苦労したのは今となればいい思い出だ
彼奴は勝機を伺っている
俺も馬鹿ではないからね、だから俺も様子を見ていた
彼奴がどう出るか、きっと彼奴のことだから録音でもしてるんじゃないかな?なんて
『それに気づかれないと思っただろうけど、その靴下学校指定ですね?○○女子高の』
『この会話は録音しています。青少年保護法があるとは言え、罪は罪です』
今日も頭がよく回るなあ、なんてのんきに考えていた
その数秒後
鈍器で殴られたような衝撃を受けることになるなんて知らずに。
『――――私は彼らとの縁を切ります』
え?
そんなのって、ないよ
『だから、
私の命よりも大事な友人と、店長とナオさんが守るこの店の邪魔だけはしないで!!!!』
泣き出しそうな女の子達
でも、君だって泣きそうなくらい顔が歪んでるの気づいてるのかなあ
別に君が身を削ってまで俺らや店を守る必要なんてないのに
だって
君のことは俺が守ってあげるからさ
君は素直に守られていればいい
今にも飛び出していきそうなシルクを押さえて俺は飛び出した
ねえAさ、
motoki「勝手に縁切ろうとするのは違くない?」
俺らの縁は切っても切れるわけがないでしょう?
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作者名:Z1GSY x他1人 | 作成日時:2019年6月28日 20時