いっぱい食べるキミが好き / Fischer's <Mt> (ページ32)

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あれから１週間が経った。私は家に帰っていない。
家を特定されたら隣に住む魁にまで被害が及ぶと思ったからだ。
代わりにナオさんの部屋に居候させてもらっている。

入ったばかりの頃は課題とかよく出されてたから
ナオさん宅に泊まり込みしていたこともあるし、そのおかげで衣服類は最低限ある。
勝手はよくわかっているから暮らしや仕事に不便はない。

とはいえ、魁にも会えてない訳で。

彼には

A店の新メニューを頼まれました、合格するまでは店に泊まり込みでやりたい
A集中したいから暫く会えません。冷蔵庫にある作り置きは全部食べてね

それっぽいことを送った。

魁すごいじゃん!頑張ってね!俺も撮影忙しくなるから頑張るよ

返事がこうきたから大丈夫だろう。
てかタイミングいいな、なんて。

店に来たあの輩たちはもう来ていない
が、それらしい人がこの辺を徘徊しているのは見かけたと店長は言う。
普通ならここはおとなしく様子を伺うのが策だとは思うけれど

だから私はそれを逆手にとってみようと思った

peke「ねえ本当にいいの?てか怖くないの?」

あの日以来、彼は心配してくれて来れる日は来てくれるようになった。
連絡も毎日している。だから今日も呼んだのだ

どうなるかはわからないけれど、私なりの解決策を証明する為に。

『ウエイターオンリーの日だからこそ、真っ向勝負しやすいでしょ?』

未だ心配そうに見つめる瞳、その気持ちを知らないふりしてお客様を入口の外まで見送る

『ありがとうございました～!』

頭を下げ、上げた時
目に入った若い女の子２人組。高校生だ。

「ちょっといいですか」

来た

『２名様ですか?』

「貴方に用事があるんです私たち」

『はあ･･･何処かでお会いしましたか?』

「とぼけないでよ!!!あんたTujimon cooking channelの辻元Aでしょ」

「何度貴方に接触しようにも店の人には止められるし･･･やっと見つけた」

「単刀直入にいうけど、貴方フィッシャーズのなんなの?媚売って売れたいの?」

『･･･取り敢えず、なぜそのようにお思いになったかお話していただけます?』

「私たちの質問にまず答えなさいよ」

『媚売りではなく、小中同じで仲良かっただけですけど』

「嘘つかないでよ!!」

えぇ･･･?
う～～～～んメンドくさい。

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