いっぱい食べるキミが好き / Fischer's <Mt> (ページ27)

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▼君だけは特別ページ27

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世間ではバレンタインデー。
そのおかげで今日のランチもディナーもカップルだらけだ。
それはもう皆さん熱々なご様子で羨ましかったよ

けれど、私個人の本番はここから。

「Aちゃん、今年も気合入ってるわね～」

店長にニヤニヤと声をかけられる
そう、まだ私はバレンタインのチョコを誰にも渡していない!

冷蔵庫から作っておいたお菓子たちを取り出す
そして先ほど全力で用意したトッピングたちを並べた

『カメラ準備OK、･･･っよし、やるぞ～』

作る工程は自宅で収録済み
あとはトッピング工程を撮るだけだ。

あ、なんで店でやるのかっていうと
器具が揃ってるし片付けが楽だからっていう理由。ほんとそれだけ。

まず1つ目はココアのブールドネージュ。
粗熱を取って冷やしておいた物を粉糖のはいったジップロックに入れて密閉し、
そして一向振る。粗方振ったらそのまま冷蔵庫へ。

これは店長やナオさん、Fischer'sの皆へ配る用。

冷蔵庫を開けて取り出したのは、ガトーショコラ

これは魁専用。
毎年バレンタインはあげているんだけど、今年はちょっと凝ってみようかなって。
とはいえ量が多いから皆で分けてもらおうかな、なんて

ケーキクーラーに出し、上にレースペーパーを置く
そして粒子の細かい溶けないタイプの粉糖を上から丁寧にかけていく

ペーパーをゆっくり取れば、そこには綺麗なレース模様が

いい感じにできたところでクリームとカットしたフルーツを盛り付けて
最後に作っておいたナパージュをフルーツに塗って照りを出す

『･･･できた』

そこから慎重にケーキ台に置いて、様々な角度からのアップを取って
最後に箱へしまった

「めっちゃ綺麗じゃん!私も食べたい～!」

『また今度作りますよｗ』

「そうね、今回は大好きなモトキ君用だものね!」

『いやそういうのじゃないですって!ｗ』

ガトーショコラは一旦冷蔵庫にしまい、ブールドネージュをラッピングして２人に渡した
残った物は取り敢えずそのまま持っていこう

暫く店長と談笑していると、店の戸が叩かれる
そして扉が開けられた

motoki「ごめん遅くなっちゃった」

『んーん大丈夫、じゃあ帰ります!』

「気をつけて帰るのよ～」

『はい!お疲れ様でした!』

なるべく揺らさないよう紙袋を大事に持って外へ出る

ndaho「お疲れ様!」

『ありがと、皆もお疲れ様』

これから向かうはマサイ君宅だ。