検索窓
今日:29 hit、昨日:23 hit、合計:76,799 hit

▼店長の罠 ページ22

.

.


あれから魁とは顔を合わす暇もなく年が明けた
私は仕事が忙しい、魁は相変わらず忙しいというダブルコンボだもんね
思えば2人共忙しくなってこんなにも会えない日が続くのは隣に住み始めてから初めてだ。

寂しいな、なんて思う暇もないくらい忙しいから別に良かったんだけど



年が明けて2週間位経ち世間のめでたいムードもかなり冷めた頃、
店の方も平常通りまで戻ったし気持ちにも余裕が出来た
動画投稿もそろそろストックを撮り始めようと思えるくらいにはね。


でも相変わらず朝起きても彼は家にやってこない
一周回ってなんとも思わなくなった

専門時代と同じ、そう思うしかないんだ。



「だからこんなに朝早くから店にきちゃったのね〜」



現在午前7時半過ぎ
店のオープンは11時半だ。
店長は朝早くから店をあけて前日売上の確認などをしている

挨拶も程々に私は着替えて厨房に立った



“店にあるものは何を使ってもいい、但し使ったらナオに報告すること”



冷蔵庫に大きく書かれた張り紙。
私が技術を磨くためによく自分で買い出ししては厨房に篭ってた時期にナオさんが書いてくれた
懐かしい、もう5年近く前の話だ

冷蔵庫を開けるとそこには前日に余ったキャベツの千切りと解凍されたエビ、そして卵
その横の棚にはカニ缶やツナ缶が入っている



『っよし、今日はお好み焼き風を作ろう』



塩もみして水分を絞ったキャベツとエビボウルに合わせて塩とコショウで下味をつけたら
そこに卵を3つ投入してぐちゃぐちゃにかき混ぜる
最後にカニ缶をあけて汁ごと混ぜ込んだ

フライパンにごま油をしいて火にかける
胡麻のいい香りがしてきたらボウルの中身を半分入れて形を成形し、蓋をした



「いい香りがするんだけど〜Aちゃん勿論私の分もあるんでしょうね〜?w」

『もちろんですよ!!当たり前じゃないですか!w』



ふっくらして来た頃合でひっくり返す。うん、いい感じ
両面焼きいろがついて、中心を押しても卵液が出てこなくなったら器にだす
ソースと鰹節をかけて完成だ

同じ工程をもう一度繰り返したけど2回目のほうがきれいだな
これは店長用にしよう



『できましたよ〜』



両手にお皿を持って厨房を出れば、



「あらできたのね!じゃあ私はナオのとこいくからあとはごゆっくり〜!」



そこには魁がいた。

・→←・



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (57 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
142人がお気に入り
設定タグ:Youtuber , フィッシャーズ , Fischer's   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Z1GSY x他1人 | 作成日時:2019年6月28日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。