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side---> Silk
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急なお願いだし、材料もないと思ったから買い出しから付き合おうと思っていたけど
まさかの買い出し無し。お願いしてる身だから何か手伝えることはないかと思った
『一緒に作ろっか!』
その提案には正直驚いた。
モトキからは男子が苦手だと聞いていたし
初めて会ったときから気になっていたが俺らに対して、特に俺に対してか。
どうやら一線、いやそれ以上に距離を置きたがるような雰囲気を醸し出していた
苦手意識を持たれているのはわかっている
でも今回の企画でどうしてもやってみたかった
“市販品の中に手作りが混ざっていたらどんな反応をするのか”
ましてやそれが好きな人の手作りだなんて
『じゃあシルクくん、ジュースを200ml計って下さい』
silk「お、おう」
計量カップにゆっくりと注いでいく
その横で辻元はなにやら粉を計っていた
silk「200ml計った!」
『ありがとう。じゃあそれをこの鍋に注いでください』
silk「ん、OK」
『そしたら火にかけて、この粉を溶かしながら混ぜます!この泡立て器使ってね』
混ぜるって、どんな感じでやればいいんだ?思いっきりやっていいのか?
あたふたしている俺に気づいたのか、泡立て器もった俺の手を掴み混ぜ始める
『ゆっくり焦げ付かないように、泡立てないようにゆっくり回す感じね』
silk「わ、わかった!」
『お、上手いじゃん!』
横目で表情を見れば、見たことないくらい朗らかだった
以前見たへらりとしている笑顔とは全く違う。
きっと、モトキにはずっとこんな表情を見せているのだろうか
『そろそろ火止めるね。この濡れ布巾の上に鍋おいてくれる?』
silk「うい」
『ありがとう!じゃあ・・・えーっとこの辺に〜・・・あった!』
棚から取り出したのはシリコン製の可愛らしい動物の型
『私はこれに流し込んでるから、シルクくんは同じ手順をカルピスに変えてもう1回やってほしいな』
silk「えっ粉とかわかんねーけど・・・」
『もうゼラチンとかは計ってる!カルピスは100ml計る、火にかける、粉を入れて混ぜ溶かす!OK?』
silk「あ、うん。OKOK」
『分かんなくなったら言ってね、一応見てるけどさっ』
にひひ、と笑う
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嗚呼、まずい。
これは可愛いわ。
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作者名:Z1GSY x他1人 | 作成日時:2019年6月28日 20時