処刑５ ページ6
「何だと！」
クリスはこちらに向かって怒り始めたが、気にしない。
「ちょっと、A。」
フェイは心配そうにこちらを見てきた。
「大丈夫だよ、ちょっとからかっただけだって！」
私はクリスの方を見ながら鼻で笑い返した。
「バニラさんは？」
怒っているクリスを横目にバニラに話しかけた。
「私は、山菜を採りに山へ来たのよ。まさか吹雪が降るなんてねぇ。」
なんともバニラらしい回答が返ってきた。
「吹雪、止むと良いですね。」
「そうねぇ。」
バニラはそう穏やかに話した。
「でも、たまにはこうして皆と過ごすのも良いかもしれないねぇ。」
そう言い、バニラは周りを見渡した。
「そうですね！」
確かに、こういう機会は滅多に無いので意外と良いかもしれない。なんて、私も思った。
「リリアンさんは？」
私は大口でご飯を食べているリリアンに話しかけた。
「私は山で素敵な人に出会う為に来たの♡」
「え」
私は予想外の言葉に思わず固まってしまった。
いや、なんだよ、山で出会いを求めるって！漫画かアニメの見すぎじゃない！？
「そして、今あなた達みたいな素敵な人に出会えたわ♡ラッキー♡」
リリアンは楽しそうに話していた。
もうリリアンが良いならそれで良いや。
「皆、個性豊かだね〜。」
私は隣のフェイに話しかけた。
「ちょっと！僕は！？」
すると、ロディが話に入ってきた。
「あっ、忘れてました。」
私は真顔でロディに向かって言った。
「ふっ、Aはおっちょこちょいだね。」
ロディは一々髪をかきあげながら私を見てきた。
こっち見んな！！何がおっちょこちょいだ！！
「うわっ、こいつやべーな。」
クリスはそんなロディを見ながら言った。
「何？クリス。僕の美しさに惚れてしまったかい？」
ロディは得意げにクリスに向かってドヤ顔をした。
「いやなんでそうなるんだよ！！」
クリスはすかさずツッコミを入れた。
「それでロディさんは何故、遭難を？」
面倒臭くなりそうなので、私は仕方なくロディに聞いた。
「僕の美しさに見蕩れていたら遭難してしまって。」
ロディは美しい顔で困ったように言った。
「そのまま吹雪で凍えてろ！」
私は思わず思った言葉を口に出してしまった。
「ぶっ！！」
それを聞いたクリスが吹き出して笑い始めた。
「Aはツンデレなのかな？」
ロディは困ったように私を見てきた。
「はぁ。」
黙っていればイケメンなのに。
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作者名：とらんぷ | 作成日時：2018年11月5日 23時
