処刑10 ページ11
そうして、ロディは人狼について書いてあるページを読み始めた。
・人狼は夜になると、狼の力を取り戻し、屋敷の中の1人に襲いかかる。
・人々は人狼だと思う人を1人選出し、日が落ちる前に処刑する。
・ただし、人狼が1人だけとは限らない。
ロディは淡々と本の内容を読み上げた。
一同は沈黙し、お互いを疑ったような目で見つめる。
「つまりこの中に『人狼』がいる。」
読み終わったロディは落ち着いた様子で話す。
「そ、そんなの、嘘に決まってんだろ!」
「クリス...お爺さんの死体を見ただろう?それに、死体だけではなく本にまで書いてあるんだ。否定しようが無い。」
クリスは信じたくないようで、必死に否定したが、この状況で人狼がいないと否定するのは難しいだろう。戸惑った顔をしていた。
「じ、じゃあ誰が人狼って言うんだよ!」
「それを僕達が見つけるんだよ。」
ロディは至って冷静に言葉を返す。
「お、お前なんでそんなに落ち着いていられるんだよ。それに昨日、人狼を信じていたし...。」
ロディを疑っているのか、クリスはロディに疑いの目を向ける。
「はぁ...。僕は占い師なんだ。」
ロディはそう言い、皆を見渡す。
「う、占い師...?」
私は疑問に思い、ロディに問い掛けた。
「そう、占い師。僕は、君達が人狼か人狼じゃないかを夜に1人占う事ができるんだ。」
ロディはゆっくりと話し、言葉を続けた。
「ちなみに昨日占ったのはクリス。クリスは人狼じゃなかったよ。」
「あ、当たり前だろ!」
クリスは安心したように、ロディの隣へ行く。
この人、単純だな。
「でもどうして占ったの...?クリスを疑ってたってこと?」
フェイはロディを怪しんでいるのか、質問をした。
「昨日、お爺さんが人狼の話をしていただろう。だから、もしかしたらと思って占ったんだ。クリスを占ったのは僕と同室だからだよ。同室の人が人狼だったら恐ろしいからね。」
ロディはクリスを見てそう言った。
「まって!私も占い師なの...。」
唐突に、エマが話を遮る。
「...は?」
クリスは有り得ないというような顔をしてエマを見た。
「実は、私も占っていて...フェイは人狼じゃなかったの。」
エマはフェイを見ながら言った。
「僕を占ったの...?」
フェイは驚いたようにエマを見た。
「うん、ただ単に気になっただけなんだけど。」
エマはフェイに微笑みかけた。
その光景を見て、少しモヤっとした。
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作者名:とらんぷ | 作成日時:2018年11月5日 23時