番外編___ ページ7
ーー
『…よし、終わったぁ……』
最後の書類に目を通し、束となった書類の頂点に乗せる。
潜りの成果報告と現段階で組織に僅かでも関わりのある人間を全て把握する。
普通に考えて全ては不可能すぎる。
こんなの何人分あると思ってるんだ。
『…はぁ。』
3徹目の正午過ぎ。
もはや眠けを通り越して元気さえもある。
期限を余裕にくれたからと言えど前回ギリギリで泣く泣く頑張ったから今回は無理にでも詰め込んだ。
いや、余裕を持ってやれればいいのだけれど、生憎その“余裕を持って”が一番厄介なのである。
いつの間に清掃されたのか、シワひとつ無い仮眠用ベットに倒れ込む。
あの日から半年____
一日一日の時間が過ぎるのが異様に早い気がする。
当然素性の知れないぼくを雇ってくれた上に、この不定期な精神、身体共々な過酷労働に見合った賃金も与えられている。
まぁ……やってる事はヤバいが待遇が良すぎな気がするけれど、
形だけでも社会人入りしたぼくの初給料で購入したスマホを開き、最新ニュースを無造作に眺める。
『…東都……ねぇ。』
かつて暮らしていた地域の名前と似ている様で微妙に違う。
外見に大差は無くて、地名を見なければ気付かない場所だってあった。
第一“ここ”が住んでいた場所と異なることに気がついたのもつい数ヶ月前。
それ以前に、“ここ”に馴染んでいるぼくがいるのも事実。
突然地名が変わった訳でもなくて、
夢にしては嫌にリアルで長すぎる。
考えれば考える分わからなくなる。
一体ぼくはいつ“ここ”に来た____?
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作者名:うぃっぷ | 作成日時:2020年10月11日 23時