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ーー
〜ネグローニside〜
伊達眼鏡を付けて怪しまれないように普段着で校内に入る。
何かと普段着でも黒い服を買う癖があり、バーボンなんて完全に不審者だった。
サングラスにマスク、全身黒はやばいだろ。
バーボンの提案で、スコッチの服も物色させてもらい無難なパーカーを借りれたのは救いだった。
何しろAに確実に怒られるからね。
「帰って」とか「もう二度来ないで」
___なんて言われたら立ち直れない。
「Aのクラスは3年1組でしたよね」
『うんそうそう、…あ、あそこかな。』
すれ違うのは保護者だろうけど、
何より目線が痛い。
それも熱い熱い目線。
特にノーガードなバーボンへの目線が。
「…ネグローニ、貴方見られてますよ」
『ううん、絶対バーボンの方だよね』
今まで気に止めてこなかったが、バーボンは結構美形の分類に入ると思う。
本人に言っても「人並みですよ」なんて返されそうだから絶対言わないけど。
自分が注目の的にされてるなんて思ってもみないんだろうなぁ…
「おや、あれは…」
『……A?』
扉の前でキョロキョロと何かを探すAの姿が目に入る。
…何かあったのかな…?
気になるも、足を止めずに早足で近寄る。
『何か探し物?』
「!!」
突然声をかけたからか、一瞬驚いて目を見開いたAの表情は、段々と安堵へと変わっていく。
「…いや、迷子になってないかと。」
『心配してくれてありがとう』
心配っていうより____
「ママー!!」
「間に合ってよかった〜」
周りに目を向ければ授業が始まるまで保護者同士で話している姿や
親子で和気あいあいと会話をしている姿。
……あぁ、そっか。
「…ひょっとして、僕達が来るまでソワソワしてたんですか?」
「…別に、大の大人が迷子になって校内うろつかれても困るしね」
図星だったのか、ぼく達から目を逸らすが
どこか嬉しそうな表情をするAにこっちまで嬉しくなる。
____本当、来れて良かった。
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作者名:うぃっぷ | 作成日時:2020年10月11日 23時