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「あ、2人ともお帰り」


「ただいま戻りました、じゃあ僕は夕飯の支度を始めますね」


『あたしも手「A」……なんでしょう。』



「授業参観のお知らせ、今日だったよね。

ちゃんと持って帰ってきた?」




『…………まぁ。』





今の小学校は手紙を配る日程まで保護者に伝えているのか………



連絡袋の中から半分に織り込まれた紙をネグローニに渡す。






「……16日………うん……よしっ!!

やっ、やっと行ける!!!!」



『そんなに。』




両手で紙を持ちバンザイをしたかと思えばすぐさまボールペンを取りだし参加に丸をつける。




「余程嬉しいんでしょうね、

…勿論、僕もその日は空けてありますよ」



「予定通り16日で良かった〜、…台風も動きが出て17日以降って改めて予報されたし…」


「軽く鬱状態でしたもんね、貴方。」




そういえば、来週末に台風が来るって予報されてたっけ。





“授業参観”



確かに今までその機会はあったものの、運が悪いのか仕事で参加が出来なかったネグローニ。




正直、こうして家で一緒に過ごしているんだから普段の様子もくそもないと思うが


毎度毎度参加が出来ない事を知る度落ち込む姿を見てきた。





「今日は随分と賑やかだな」


「お帰り!授業参観、16日で大丈夫だった!」


「ホー?変更は無しか、良かったじゃないか。
……非常に残念だが俺はパスさせてもらうがな、」



「確かスコッチもその日一緒でしたよね。

Aの勇姿はしっかりと僕のこの目に焼き付けてくるのでどうぞ何処へでも行けばいい。」





“授業参観”




自分には無縁のものだと思っていたのに





「はは、スコッチも行きたがってたしなぁ…


ビデオ撮っちゃう?」


「それも一理あるな」


「…親バカ過ぎやしませんか。」







今更、


“嬉しい”と思う自分がいた。

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作者名:うぃっぷ | 作成日時:2020年10月11日 23時

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