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47.一度きりの質問 ページ47

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ドヨン「先輩!質問してもいいですか?」

「ん?いいよ」



授業で発表する時のようにハキハキと喋る彼を微笑ましく思いながら頷く。

たかが質問ひとつで覚悟を決めたような顔をしなくても…



ドヨン「先輩は新入生の時に問題児だったって聞きました」

「誰に?」

ドヨン「ジフン先輩です。欠席回数ギリギリの授業は自分が引っ張り出して受けさせたって」



あいつ…余計なことばかり…



「まぁ、それは置いといて…質問は何かな?」

ドヨン「先輩が文学にハマったきっかけは何ですか?」

「お〜…思ったより深い質問だね…」



そんな質問が来るとは予想もしていなかった。

きっかけ…

確実なものはあるが、恥ずかしすぎる。



「他の質問じゃ駄目かな?」

ドヨン「訳ありですか?」

「いや、そういう訳じゃないんだけど…」

ドヨン「なら、教えてくれませんか?」

「…引かない?」

ドヨン「はい!引きません!」



"絶対!" と付け加えた彼に気合い負けした私は仕方なく過去の記憶をたどることにした。







―――






「ねえ、ジュンギュ…ジフンとジェヒョクってなんか似てない?」

ジュンギュ「はあ?これっぽっちも似てないけど」

「なんか似てる気がして目で追っちゃう」



新入生だった頃、私はジフンのことが気になっていた。

理由は明確で、ジフンから初恋の彼に似た雰囲気を感じたから。



ジュンギュ「ねえ…いい加減にしなよ?ジェヒョクに告白して玉砕したあの日からまだ1年も経ってないよ」

「人の心がないの?黒歴史を掘り返すなって言ったよね」

ジュンギュ「もううんざりなんだよ。
二度と恋なんかしないって言ったのは誰だっけ?」

「まだ恋したなんて言ってないでしょ!」

ジュンギュ「ふーん…まだ、ねえ〜」

「…」

ジュンギュ「Aは単純すぎ。
赤の他人に初恋の面影を見出して勝手に親近感湧いてるだけで、その気持ちは勘違いだよ」



遠慮の無いキムジュンギュの正論に当時の私は我慢出来ずカッと熱くなったが、その後ジフンと顔を合わせる度にその言葉を思い出して微妙な気持ちになり、
特に何の発展もなく、あっという間に新入生の春は過ぎた。




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48.初恋の延長→←46.致命的な一面



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扇子(プロフ) - みさん» いえいえ!こちらこそ読んでいただきありがとうございます!これからも更新頑張りますね☺️ (2022年6月26日 1時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新してくださりありがとうございます! (2022年6月25日 0時) (レス) @page47 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - ゆゆさん» わ!ありがとうございます!!嬉しいです☺️ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - おもしろすぎて最高です! (2022年6月3日 1時) (レス) @page41 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - みつきさん» わ〜!!ありがとうございます!!嬉しいです☺️これからも楽しんでいただけるように頑張りますね!! (2022年6月2日 22時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:扇子 | 作成日時:2022年5月19日 18時

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