恋に師匠なし

37.偉大な ページ37

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その後、洋書コーナーを一周しながらドヨンに、
何でもいいから本を選んでみてと言ったが、
彼は簡単に本を選ぶことができなかった。

あまりに気になる本が多いのか、ファッショニスタの彼らしく本のデザインも見ながら、多すぎると呟いた。



「今たくさん本を買うよりも、確実に読みきれる本を一冊だけ買った方がいいよ〜」

ドヨン「そうですよね？でも何を買えばいいのか…先輩だったらどの本を選びますか？」

「う〜ん…文学は好みが重要なんだけど…」



私は本棚を一通り見てからどれが良いのか悩んだ。

まず翻訳版ですら読むことが難しい本は論外だから、ある程度簡単に読める本がいいだろう。

その中でも面白いのは…

一冊の本に目がいった。



ドヨン「先輩？それ…ギャツビーですか？」

「うん、偉大なギャツビー…読んだことある？」

ドヨン「翻訳版ですけど、あります！面白かったです！先輩はその本好きなんですか？」

「うん、面白いからね…
他にも重要なことはあるけど、
文学はやっぱり面白さが重要だと思う…
勉強するから読むんじゃなくて、
面白いから読む方が楽しいから…
私も初めて読んだ洋書はこれだよ」

ドヨン「え？先輩の初めての洋書はギャツビーなんですか？」

「うん…あ、でもあくまで私の好みだから…」

ドヨン「僕、その本にします！」

「いや…でも…ドヨンの好みの本を選んだ方が…」

ドヨン「僕の好みです！」



ドヨンは私の方、正確には私が持っている本を手で示しながら言った。




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