恋に師匠なし

33.胸の高鳴り ページ33

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[洋書ならなんでもいいよ〜
ドヨンが気になる本を選びな〜]



面倒なものは面倒である。

それにもしもの話だけど、学校でもないプライベートであんなに可愛いドヨンに会って、万が一でも好きになっちゃったらどうするの？

挙句の果てに告白なんかしちゃったら、終わりじゃない？

もしそうなったら、きっとキムジュンギュは10年くらいネタにして私を冷やかし続けるだろう。



断られるとは予想もしていなかったのか、既読がついたのにドヨンからの返信は来なかった。

気分を害しちゃったかな？



「わからん…男の子とのコミュニケーションの取り方がわからん…」



普段連絡を取る異性はキムジュンギュくらいだが、
ジュンギュとのラインはいつもくだらない内容ばかりだったから、事実上男の子と連絡を取るのは久しぶりのことだった。



[先輩、一緒に選んでくれたらご飯奢ります！本も奢ります！] - キムドヨン



私と取引しようっていうのかな？
交渉を持ちかけてきたドヨンに感心しながら、私は文字を打ち込んだ。



[何時？]



断るにはとても勿体ない提案だった。






―――






窓から差し込む光を見る限り、今日は快晴のようだ。

起きてシャワーを浴びた私はクローゼットを漁りながら今日着る服を選んでいた。

年頃の男の子と一緒に出かけるのに服装を気にしない女子なんていない。

それが入学するやいなや学科の貴公子になった相手なら尚更気にしなきゃいけない。

いつもなら着ないような2着のワンピースで迷ったが、
花のプリントが可愛いロングワンピースに決め、
普段はつけない香水も吹きかけた。




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