恋に師匠なし

32.厄介な予感 ページ32

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残りの平日はこれといったこともなく、平和に過ぎていった。

新学期が始まったばかりだから、
講義の説明だけして早めに切り上げる授業ばかりだったし、
キムジュンギュが私にちょっかいをだしてくる頻度も少なかった。


普段なら金曜日の夜から週末にかけては、ゲーム機を抱えて私の家に滞在していたジュンギュだったけど…



「今日は来ないな…」



キムジュンギュがいないから残念だ。
とかそんな気持ちは全くなくて、ただ習慣化していたルーティンが崩れるような感じがしてぎこちなかった。


それだけだ。



「ストックホルム症候群的なやつ？」



とにかくキムジュンギュから解放されたわけだし、久しぶりに自由を満喫するとしよう。

動画サイトで最近ハマっているコントでも観ようかとスマホを起動させると同時に、誰かからメッセージが届いた。



[先輩、明日予定ありますか？] - キムドヨン



ドヨンとは連絡先を交換したその日にスケジュールを調整し合って、週に2回課外授業をすることに決めた。



[特に予定はないけど、どうして？]

[来週から課外授業をするじゃないですか？
その時に使うのは借りた本より自分で買った本の方がいいですよね？] - キムドヨン

[うーん…どっちでもいいけど書き込むなら買った方がいいかも]

[ですよね！僕明日、書店に行って買って来ます！]



うーん…
ちょっと面倒な予感が…



[うん！いいじゃん！]

[はい！それで、何を選べばいいのかわからないんですけど] - キムドヨン



あ……やっぱり？



[一緒に選んでもらえませんか？] - キムドヨン



せっかくの休日に予定を入れちゃうのは正直惜しい気持ちもあるが、相手が貴公子ともなれば話が違うよね…



「いや、でも…」




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