僕らを繋ぐ13の弦

第29話 ページ29

浦「狂平っ！」
狂「…！」
蓮「浦正…」
浦「っ……」

ちゃんと言わないと、『いつか』は来ない…！

浦「ごめんっ……！！」
狂「…」
浦「あのときのこと、今更謝っても遅いけど、お前が許してくれるまで俺は謝る！それに俺は……俺は、また狂平と演奏したい……！！」
狂「浦正…」
浦「…ごめん、こんなのわがままだよな……俺が悪いのに」
狂「…今日、最初に弾いてた曲…『無題』って何」
浦「え…？ああ、部室で見つけたけど曲名がないんだ」
狂「大会で弾くなら曲名をつけた方がいい、無題だと印象悪いだろう」
浦「あ、ああ、分かった」
狂「今年から予選大会で選ばれるのは2校…1校は黄更城がとる、もう1校を…とってみろ」
浦「狂平……分かった！絶対とってみせる！」
狂「…負けるなよ」
浦「ああ、"2人で目指せ"！」
狂「…"ナンバーワン"！」

蓮「…水差すようで悪いんやけど、」
浦狂「ん？」
蓮「浦正、Aはちゃんと家まで送ったんか…？」
浦「あっ…！」
蓮「アホ、夜道を女の子1人で歩かせんなや！」
狂「早く行ってやれ、ヤンキーに絡まれてるかもしれないだろ」
浦蓮「ヤンキー……A……！！」
浦「待ってろA！すぐ行くからな！蓮次狂平、またな！」
蓮「まて浦正！俺も…」
狂「お前は行くな」
蓮「な、なんでや…！」
狂「Aを家に送るのはあいつの仕事だからな……"2人で目指せ"か……浦正の言う"2人"は、浦正と誰なんだろうな……」
蓮「にーやん？」
狂「なんでもない…帰ろう」
蓮「ああ…」


浦「A！ﾊｧ…ﾊｧ…ごめん、1人にして…ﾊｧ…ﾊｧ…」
『私は大丈夫ですけど…先輩こそ大丈夫ですか…？』
浦「ヤンキー…に、ﾊｧ、絡まれてないよな…？」
『え、何の話ですか？ヤンキーなんていませんけど…？』
浦「いや、いないなら良かった…」
『あ、そうだ！お茶飲みますか？』
浦「あ、いい？ありがとう！」
『どうぞ！飲みかけですけど…』
浦(飲みかけ…つまりAと間接…)
『よかったです！そのお茶、虎次先輩に貰ったんですけど、先輩が少し飲んでたみたいで、男嫌い克服したとはいえ間接は…と思ってたので！』
浦(虎次ぃぃぃぃ！！！！)

第30話→←第28話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す