三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

piece279　木村side ページ29

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　バーを出るにも出れなくなり、罪悪感に苛まれながら俺はジンを頼んだ。
　とりあえず不自然のないよう風見さんと会話を交わすが、口数は断然少ないし、無意識に声も抑えてしまっている。

　2人の様子を窺っていると、Aが安室さんに近寄りだした。
　……なにしてんの！？
　風見さんの方をチラッと見てみるが、風見さんもメガネをクイっと上げて動揺を隠している。

　視線をAに戻すと完全に安室さんに寄り掛かっていた。Aはお酒めちゃくちゃ強いので酔ったというわけではないだろう。
　安室さんの意識が俺達に向かないようにしてくれてる、とか？

　けど友達のああいう姿見るのきついな……。多分安室さんって風見さんの上司だよね。もっと辛そう、っていうか気まずそう。
　安室さんも俺達のことは気付いているだろうが、Aの腰に手を回してる当たり気にしてないのか？
　お互い最悪なタイミングで鉢合わせてるっていうのにイチャつき始めるなし……。


「普通に居酒屋にすればよかったな……」
「まぁこれはこれで……緊張ほぐれたんでいいですよ……」
「緊張してたのか」


　ゲッソリしながら話していると、Aと安室さんは席を立っていた。そして出口に向かうため、自然と俺たちの隣を通っていく。
　その際、普通に安室さんともAとも目が合った。すぐ逸らしたけど。

　えー、なに。今日俺やらかしデーか？ 酔う前に帰った方がいいんじゃね？
　2人が店を出た瞬間、風見さんはテーブルに突っ伏した。


「木村、一応聞くがキュラソーの名前、誰から聞いた？」
「え、Aですけど……。あれ、もしかして俺がキュラソーの名前出すのってまずいっすか？」
「あぁいや……大丈夫だ」


　大丈夫じゃないでしょ、風見さん目泳いでるって。
　公安はほとんどの情報が機密事項。もしかしたら、風見さんがあの女性について情報を漏らしたと、安室さんは思っているのかもしれない。


「すみません、なんか今日やらかしまくりで……」
「まぁ、何かあれば本人たちがどうにかするさ……。そもそも味方同士だし、命の危険はないだろう。あの人……安室透に何か問われたら、殺崎さんのためにも俺から聞いたと言ってくれ。これは俺が背負おう」
「うっ……マジですんまん。本当に」
「東都水族館で助けてくれた礼だと思ってくれ」


　罪悪感きっつ。




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