三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

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新(あらた)side


　観覧車と水族館は既に衝突しており、今更止めに行くのは不可能だったため、多くの人が避難しているイルカショーのスタジアムに向かう。


「あ……新、上」


　移動中、湊(みなと)が上を指したので見上げ目を凝らすと、観覧車上を走っている江戸川コナンと赤井秀一が目に入った。
　何をするつもりなのかと見ていれば、観覧車に何かを取り付けそこからボールが膨らみ始めた。ボールは観覧車とスタジアムの間でクッションを作るように大きく膨らむ。
　だがそれでも観覧車の勢いは止まらなかった。

　いや、これなら私達が完全に観覧車を止めても、ボールですべての勢いを殺すことができたと周りは受け取るだろうから、不可思議ではなくなる。
　彼らのおかげで動きやすくなり、止めに入ろうと動く。だがその前に、横からクレーン車が観覧車へと突撃した。
　その勢いで観覧車は少し傾く。

　クレーン車が出てきた方を一瞬チラッとみると、そこにAがいた。
　湊に目を向けると向こうも気付いているようで、すぐAの死角に入る。

　観覧車がこのまま勢いを無くしてくれればいいのだが、そう上手くはいかず、クレーン車の運転席部分がへこみ始めた。中に乗っているのはキュラソーだ。
　あのままだと潰れるだろう。
　周囲には複数の視線。私達が出るべきじゃない。だが……。

　私はもう一度、呆然と立ち尽くしているAを見た。

　恐らくキュラソーを止められなかったんだろう。
　ここでキュラソーが助からなければAは負い目を感じることになる。
　私達が助けたところで、キュラソーが無事だとAが知るのは大分後になるだろうが……。後々でもAの負担を少しでも軽くできるなら、助ける以外の選択肢はない。

　防衛省とはただの契約関係。防衛省に出された約束事項よりAの方が大事だ。


「湊！」
「了解！」


　湊が私たちの周辺に土煙が覆うように突風を起こし、大体の視線が奪えたところで私はキュラソーをクレーン車から引っ張り出した。
　引っ張り出した直後、クレーン車の運転席は潰れ爆発する。観覧車は爆風でさらに傾き、倒れかけるがそこは湊が支えて止めていた。

　煙が収まる前に私たちはその場を後にする。
　誰かに見られた可能性もあるし、そもそもキュラソーの死体が上がらない時点で不可思議を残してしまった。
　これは後で防衛省に怒られるな。




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