三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

piece267 ページ17

.




Shade1 side


「止まっ……た？」
「みてぇ……だな」
「はぁ〜もうだめかと思った……！」


　俺達は車から、転がった観覧車を見ていた。
　車からでは分からなかったが、転がった先はちょうど水族館の方だったらしい。
　観覧車にいたShade3とShade4が戻ってきてそう言っていた。

　被害がどれほどのものかは分からないが、とりあえず観覧車が崩壊したんだ。警察も消防もかなり駆けつけてくるだろう。
　俺たち陰は通行止めをされる前にこの場から離れなくちゃ。

　まだ2人＿＿Shade20とShade40が戻ってきていないが、元々2人は徒歩での行動なため、放って置いても大丈夫だろう。
　そもそも7人も車乗れないし。詰めれば乗れるけど。


「車出すよ」


　運転席に乗り込みエンジンを掛けようとした時、放って置いてもいいと思っていたShade20とShade40が戻ってきた。
　……気を失っている女性を抱えて。

　俺は見たことあるぞ。
　警察庁に侵入した後のカーレース、俺も追いかけてたからな。分かるぞ。
　分かる。分かるけどね……。


「ねぇ一応聞かせて？ 誰？」
「キュラソー」
「ですよねー！」


　この人たち、これだけの騒ぎの中組織の幹部拾ってきやがった……！
　そしてAちゃん大好き組の2人＿＿新(あらた)さんと湊(みなと)さんは、キュラソーを連れて来た経緯を話始めた。

◇

新(Shade20)side


　花火が打ち上がった後、Aの安全が比較的確保できていると判断し、私と湊は観覧車から水族館方面の人のいない場所へと移動した。
　その後も少し銃撃が飛んだが、車軸を狙っているようだったのでAは大丈夫だろう。

　……いや観覧車崩壊させられるのは大丈夫じゃない。
　観覧車は車軸から外れ、こちら側へと転がり始めていた。


「うっわ……止める？」
「人目が多すぎる上に不自然なく止めるのは難しい」


　どうするか。
　私や湊は絶対に人の目についてはいけない。
　察されることさえも許されないため、不可思議な状況は作ってはならない。

　ふと上を見上げると、オスプレイはどこかへ飛んで行った。あれは墜落するだろう。


「新、行こう？ 止めなくてもやるでしょ？」
「えぇ」


　止めはしないが何もせずに見ているわけにもいかない。
　完全には止められないが、ある程度衝撃を緩和させる程度なら偶然でなんとか済まされるだろう。




.




※新＆湊は男性です。

piece268→←piece266

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す