piece265 ページ15
.
風見side
「A、行け！」
その声で目を覚ます。
目を開くと、俺を木村が支えてくれていた。
叫んだ方を見ると殺崎さんが走って行く。
2人が助けてくれたのか……？
「ッく……」
「風見さん、大丈夫ですか？」
体の色々なところが痛み、気を失う前までのことを思い出す。
俺は確か観覧車にいたはずだが……。キュラソーは！？
あぁ、そうだ。キュラソーに反撃されて気を失って……。降谷さんに怒られるな……。
「女性は……記憶喪失の女性は……」
「……Aが追ってます。とりあえず安全な場所へ移動しますよ」
そうか、さっき走って行ったのはキュラソーを追いに向かったのか。俺は木村に支えられながら歩き、部下たちのいる所へ行く。
にしてもあの観覧車……止めなければ多くの人が犠牲になるぞ……！ 分かっていても、この体では支えられて歩くので精一杯。くそ、情けない……。
「すまない……」
「えぇ……なんの謝罪ですか」
「公安が観覧車に乗せなければこんな事態には……。そもそも警察庁にデータを盗みに来るというのは事前に殺崎さんから知らされていたんだ……。あっ」
俺は一体何を話しているんだ！？
公安の情報はすべて機密情報。彼は同じ警察といえど刑事部で……。
「あー観覧車がうるさくて何言ったのか聞こえませんでした」
「あ、あぁ……なんでもない」
なんで俺がフォローされてるんだ。
というより、病院で殺崎さんに何かあったら頼みますって言われてたのに、俺が助けられてどうする。
「はぁ……。木村、どうして公安に来ないんだ？ 殺崎さんについて調べた時見たが、警察学校では主席……殺崎さんを入れても次席だったろう」
「Aが公安を諦めたって言うのも理由の1つですけど、俺は公共の安全と秩序を守るより、身近な人を守りたいんですよ。刑事部だと事件が起きてからじゃないと動けないですけどね。だから公安には感謝してますよ。俺らが動けないところで先に動いてくれるんですから」
感謝、か。
いつも失態だらけだけどな。
特に降谷さんと比べて俺は……。
「今度飲みに行かないか？」
「まぁじですか！？ 喜んで」
今飲みに誘うような状況ではないのだが、知らず知らずに口が動いてしまう。
まだ数回ほどしか話してない相手と飲みに行くと知ったら、降谷さんは怒るだろうか。
まぁいいか。木村はなぜか信用できる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 403人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
芹奈(プロフ) - ちなみに今は純黒の悪夢の所です、陰が活躍してきてて、予想が当たっていればいいなあと思いながら読んでいます！これからも更新頑張ってください！ (2021年5月28日 8時) (
レス) id: 6feba31318 (このIDを非表示/違反報告)
芹奈(プロフ) - コメント失礼します。面白すぎて1から6まで一気読みしてきました！そこで私の勘違いかもしれないのですが、陰の人たちってもしかして....あの人たちでは？と思ってしまいました...wたくさんの憶測を立てて読めて本当に面白いです！頑張ってください！ (2021年5月28日 8時) (レス) id: 6feba31318 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» ありがとうございます！ 使わせていただきました！ (2020年6月30日 21時) (レス) id: 2dcc01bb7f (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 9ねみさん» いーですよ！めっちゃ嬉しいです！ (2020年6月30日 21時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
9ねみ(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» 夜空さん、Wikiの下り、続編のQ＆Aで使ってもいいですか？ （ネタがなくて続編出すのにてこずってるなんて言えない……） (2020年6月30日 20時) (レス) id: 2dcc01bb7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：9ねみ | 作成日時：2020年6月5日 22時
