…だったのに【ポケモン剣盾】

いつも 唖然 ページ28

唖然





その一言だった





ダンデもリザードンも

口を開けながらその光景を見ていた









人間がポケモンを口説く光景を





『具合の方は大丈夫ですか？』





何事も無かったかのようにこちらを見るその姿に

いや待てと制したいところだったが

初対面なので流石にそれは止めておいたらしい





「それはもう大丈夫だが

…何から突っ込めばいいか分からないな」





顔色も確かに良くなったので

シティまで送り届けることはしなくてよさそうだ









『突っ込まないというのも手ですよ』

「いやそれは無理だ」





まさかの即答ですか





『……取り敢えず名前を聞いても？』





私は当たり障りのない質問をしたと思ったのだが









「……知らないのか？」





またもや驚かれてしまった

もしかしてこの人有名人なのだろうか





『すいません、最近ガラルに来たばかりでして

あぁ、えっと…旅をしているんですけど』





そう言えば納得してくれ

ダンデという名前と軽く自己紹介をしてくれた

なんと元チャンピオンだったらしく

今はワイルドエリアの見回り途中だとか





『それでしたら見回りはそこそこに

ダンデさんは早く体を温めた方が良いですよ』





リザードンに視線を送り

少々強引にダンデさんを背中に乗せる





『帰る途中で先程の子供たちを見かけたら

様子を見てあげてください』





どんどん小さくなるダンデさんは

大きな声で言う









「ありがとう！今度お礼をさせてくれ！絶対！」





もう随分と見えないダンデさんに

見えるかもわからないが手を振った









「あ、しまった」





ダンデは後ろを振り返るも

もう彼女の姿は見えない









「名を聞いてないな」

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