SNOW DROP II (7)【名探偵コナン/警察学校組】

応答_2 ページ8

“会館内の爆弾は解体した。
潜んでいた奴らの仲間も、拘束済みだ。
先ほどの爆発は、ロビー前の花壇が爆破されたものだ。
負傷者はゼロ。
爆破はとりあえず見せしめ、ってところか。
近くにスピーカーが設置されていて、大規模な爆破に見せかけたんだろう”


インカム越しに聞こえた声。
無機質な報告。
それでも、安堵する、聞き慣れたその声に対する応答だった。



爆弾は、貴方が解体したのか、と。



その後、
結束バンドを切り、ジャケットに忍ばせた”妨害電波発生装置”の電源を入れたA。
昨日、予め科捜研から借りていたのだ。
爆弾が仕掛けられていた場合を想定して。


時限式であれば効果はなかったのだが、幸い、とでも言うべきか。爆弾は通信式だった。
つまり、遠藤のリモコンは、Aの言った通り、”使えなくなっていた”のだ。

彼の、そして、Aのインカムも。
通信が出来ないのは、妨害電波により、
インカム通信が出来なかったということだ。

“使えない”、とはそういうこと。



高 「あ、ありがとうございます…」

目 「助かった、ありがとう！春宮くん。
五十嵐の秘書、…遠藤！川端殺 害についての重要参考人、としてではなく、
公務執行妨害、議員会館爆破…および、暴行、傷害未遂の現行犯で逮捕だ！」


Aが目暮と高木の結束バンドを切ると、
遠藤を連行して部屋から出て行った。部屋に、五十嵐と遠藤を残して。


部屋の外には誰もおらず、不思議そうな顔をしていたが、それもそのはず。
会館内で爆発はあったものの、
この事務所で立てこもりが発生していることは、まだ外部には漏れていなかった。

そして何より、
Aがシステムを掌握していたため、外部からの人間は入ってこれなかったのだ。
それも既に、自由になったAが先ほど解除しているのだが。


『…さて。悪いけど、貴方はこのままで。
…五十嵐先生には色々とお聞きしたいことがあるので』


一度開いたドアを、
施錠することなく再び閉じるA。

拘束されたままの議員。
それを解放しようとしない警官。

あまり周囲に見られて嬉しい場面ではないのだ。

五十嵐に再びジロリと視線を向け、
Aは彼の拘束を解くことはなく、彼の机の上の物証を確認し始めた。


床に座らされた清掃員も、なぜか拘束を解かれることはなく、
そのまま座らされている。

目暮と高木が、解放しようとしたのだが、
それをAが制止したのだ。

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