SNOW DROP II (7)【名探偵コナン/警察学校組】

失礼なセリフ_2 ページ47

そして、3時間ほどが経った後。
警視庁にて東堂の取り調べを終えたAが車を走らせたのは、

松田が眠る墓だ。




『…あの時の事件。
犯人の動機になった、東堂の不正が、ようやく暴けそうよ』


しゃがみこんで手を合わせた後、ポツリと呟くA。

松葉杖は見当たらない。
まだ痛みは残るものの、数日前からは松葉杖なしに歩けるようになっていた。


『あの時誰も被害者が出なかったのは…、松田のおかげよね。
…ホント、ありがと』


あの立てこもり事件で、
入り口に取り付けられていたセンサー式爆弾を解体したのは松田だ。

避難を優先するよう、隊長から指示をされていたにも関わらず。
後に伊達から聞いた話から、
その行動から、彼が謹慎を受けていたことも、Aは知っている。

お礼は既に伝えてある。
ただ、その事件の裏にいた人物を捕まえた今、
ここに来たかったのだ。


報告に、来たかった。



『一課の目暮警部に、…厄介な部下だって、…松田のことを思い出すとか言われたわよ。
良く分からないけど、一緒にしないで…って、思うわよね』


優しげな目で、苦笑いを零すAは、
一課の刑事としての松田のことを、ふと想像していた。
”厄介な人物”だったのかと。

たった７日間のことだ。
Aは当然、知らないのだから。




『悪いけど、今日はタバコ、持ってきてないの。
…そろそろ行くわね。それじゃ。』



非番の日や命日に手を合わせにくるときは、
必ず持ってくるタバコと小さな花束。
しかし、捜査の合間に足を運んでいる今日は、それらを持ってきていないことに軽く謝罪の言葉を零し、
Aは、左足を軽く引きずるようにして、墓地を去っていった。

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