SNOW DROP II (7)【名探偵コナン/警察学校組】

松葉杖と尋問_5 ページ44

(…五十嵐からの指示、 ね。
やっぱり、最終的に彼らの関係性を掌握していたのは輪廻のヒカリ…。
まぁ、東堂はあの団体とは直接絡んではいなかったみたいだけど。)


昨日、議員会館での五十嵐の様子から、
おそらく彼もまた脅されていたのだろうことが予想できた。

輪廻のヒカリに。
あるいは、彼らと手を組んでいただろう、五十嵐の秘書、遠藤に。

そして、2年前から上がっていたと先ほども口にした、東堂から五十嵐への送金額。
ペーパーカンパニーをかませたマネーロンダリングだが、
その金の流れはとっくに掴めている。

まだ推察の段階だが、
輪廻のヒカリと何らかの形で手を組んだ遠藤が、
東堂を脅し、彼からの金銭の一部を懐に入れていた可能性があると、Aは睨んでいた。

遠藤によって、脅されていたということだ。
ただ、それを明るみに出せば、五十嵐との関係も、その裏の東都銀行との関係性も暴露されることになる。
東堂は、身動きが取れなかったはずだ。

そして五十嵐もまた、同様に脅され、口を挟めないようにしていた可能性がある。
それは、遠藤に、ではなく、もしかすると…、
輪廻のヒカリに人質に取られているような立場だったのかもしれないと、Aは考えていたのだ。



「でも、…公安が取り調べた情報も、春宮さん、もしかして…知ってるんですか？」

『知るわけないじゃない。…あの部署が、そう簡単に情報を漏らすと思ってるの？
前もって貴方たちに伝えた情報だけよ。私が知ってるのは。』


公安の方の情報。
それは、五十嵐、そして輪廻のヒカリのことだ。
同日、公安が取り押さえた、ということで、奴らと繋がっていたことは本当だったのだと、
前もってAから伝えられていた情報は本当だったのだということは、
一課そして二課の人間は理解していたものの、
その詳細は――知らない。


そして、Aは公安から情報を貰った訳ではないことは事実だ。
それらの情報は、自身と一ノ瀬がかき集めたものなのだから。

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