SNOW DROP II (7)【名探偵コナン/警察学校組】

松葉杖と尋問 ページ40

「…貴方の秘書が関わっている、と言ってるんです。
既に証拠もある。貴方の会社が入っているビルで度々目撃されていたようですね。あの男。
…貴方が指示したんじゃないんですか？」


2日後の捜査一課の取調室。
東堂を目の前に、取り調べを続けるのは目暮だ。

隣の取り調べ室では、東堂の秘書が、佐藤によって尋問されていた。
五十嵐の秘書、遠藤も、立てこもり犯として一課で取り調べられる予定になっているが、
五十嵐だけは公安に身柄を押さえられていた。




『状況は、どうですか？』


取り調べが続いている中、一課のオフィスに現れたA。
昨日開いた腹部の怪我が痛むのか、あるいは、左足首の方か。
少し顔を歪めている。

松葉杖姿の彼女に、慌ててかけよったのは高木だ。
彼女が怪我を負ったこと、目暮や高木がいなくなった後、
あの部屋で起こった一連の出来事については、既に一課の人間に知れ渡っていた。

輪廻のヒカリとの詳細な繋がりを伏せる形で。


「…春宮さん、大丈夫ですか？」

『問題ありません。それで、東堂の取り調べは？』

「はい。実はまだ――」


東堂、そして、東堂の秘書もまた、
知らない、やっていない、の一点張りで自白を取れていない状況を耳にしたAは、
高木の話を遮るようにして、取調室へ向かった。


「ちょっと…春宮さん！？」


松葉杖の彼女に追いつくのはいとも簡単で、
高木がそれを制止しようとするも、”少し、警部に話があるだけだから”、とAに一蹴され、口を閉ざした。


(…あの団体、残党がいるかもしれない。
それに、他に協力者がいる可能性も払拭出来ない。
…検察の取り調べも考えると、…あんまり時間をかけるのは得策じゃない。
黙秘されて、送検出来なくなるなんて、…あり得ない)


おおよその証拠は握っている。
4年前から追い続けてきた相手だ。

東都銀行との癒着をきっかけにして。

それがここまで複雑に大きな事件に繋がっていたとは想像していなかったとはいえ、
今、逃すわけにはいかないのだ。



ガチャリ


取り調べ室前の刑事を、さきほどの高木同様振り切るようにして、
東堂と目暮の前に現れたA。


「…は、春宮くん。何だね、急に」

『警部。…少しお話が』


そうして、立ち上がった目暮にコソッと耳打ちをするA。

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