SNOW DROP II (7)【名探偵コナン/警察学校組】

悪いけど_3 ページ4

(…セキュリティシステムは掌握している。
このフロアのシステムは、外部の人間では動かせないはず。
五十嵐の事務所前の自動ドアはLOCKしてるけど…、
他は動かしてないし…、カバンが奪われている状況では私も操作出来ない…)


下手に他の議員を巻き込み、大ごとになるのは、Aたちにとってはマイナスだ。
その隙に逃げられる可能性もあるのだから。
下手に巻き込まないよう、セキュリティシステムでLOCKをかけた場所は最小限に留めてある。
万一、ターゲットが逃げた場合は、
先ほどの一ノ瀬のように、防犯カメラ映像と合わせ、都合の良いように全てのシステムを動かせる状況にしていたとはいえ、
今の状況ではどうしようもない。


念の為、
二課の刑事が1名、このフロアで待機しているものの、おそらく、部屋の状況は把握されていないはず。

面倒なことに、この部屋の防犯カメラは故障している状況だったのだ。
つまり、今の状況はそう簡単に外には分からないということだ。


予め、遠藤が手を加えていたということだろう。



最悪の状況を想定していたとはいえ、
爆弾の可能性も考えてはいたとはいえ、
他のフロアにまで仕掛けられている以上、今は迂闊に動く訳にはいかない。


『他のフロアに仕掛けている爆弾って、…他の議員の事務所…ってこと？』

「さぁ、どうでしょうね？」

『…リモコンは1つしかないようだけど』

「あぁ。これは、その…、貴方の横にあるキャビネットに仕掛けた爆弾の起爆スイッチですよ」

『…』


口を開き続けるAに、
ちょ、ちょっと…春宮さん…、と、隣で拘束されている高木が、制止するような声を上げた。
状況を打破しようとしているのは皆同じ。
ただ、目的が分からない以上、闇雲にこの議員会館を危険に晒す訳にはいかないと、
目暮ですら口を閉ざしているのだ。


「疑っているなら、証明してあげますよ」

『…』

「僕が言っていることが本当だってことをね」



その遠藤の言葉に、
A、その横の高木や目暮が焦ったように目を見開いた。
そして、彼がボソッと何かを呟いたと思った直後、


ドォー…ン！！

階下から聞こえた大きな爆発音。


『…な…』

高 「…！」
目 「…ば、爆発…！？下のフロアから…か！？」


遠藤を睨みつけるAたちと対照的に、
五十嵐と清掃員の男は、ただ、口をバクバクさせて怯え続けている。

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